ロンドン金属取引所(LME)は5月16日、香港で2023年の年次総会を開催した。LMEは2022年3月にニッケル取引を巡る混乱を引き起こしており、事件で傷ついた取引所としての信用回復を目指す。
「LMEアジアウィーク」の目玉として開催の年次総会は、セミナー・討論会と懇親会で構成され、LMEの親会社である香港証券取引所(HKEX)のニコラス・アグジン最高経営責任者(CEO)や、史美倫(ローラ・チャー)主席らが出席した。討論会のテーマは「2023年の金属市場の展望」と「持続可能な開発目標(SDGs)は持続可能か?」。スピーチテーマとして「中国の双循環(デュアル・サーキュレーション )成長と商品市場の展望」が取り上げられた。
同日付のBNNブルームバーグによると、LMEのマシュー・チェンバレンCEOはセミナー後に同通信のインテビューに応じ、「信頼は一夜にして生まれないが、我々はそれを回復するためにたゆまず努力している」と語った。LMEは2023年3月下旬、事件発生から停止していたアジア時間のニッケル取引を再開。チェンバレン氏はこれについて「(信頼回復に向けた)重要なステップだった」と話し、4月はニッケル取引が過去1年間で最も増えたと指摘したという。
これに先立ち、ブルームバーグをはじめとする海外メディアは5月13日までに、LMEが倉庫会社に対し、ニッケル在庫のチェックを強化するよう要求すると伝えた。磁石と金属探知機を使用して袋の中身が本当に金属なのかを確認し、倉庫作業員が袋の外側を触って中身が適切なものかを判断するという。LMEは3月半ばに同所が管理する業者のニッケル袋の中身がニッケルではなく石だったという不正が発覚し、アジア時間取引の再開を1週間延期していた。
(IRuniverse Kure)