(一社)太陽光パネル・リサイクル協会(東京都中央区茅場町)は2022年11月1日に設立された。きたる5月29日(月)には第一回総会が行われる。同協会代表理事の濵田篤介氏に話を聞いた。
ステークホルダーすべてが連携して適正処理を
太陽光発電は、エネルギーセキュリティー向上から世界的に導入が進み、日本でも2012年から固定価格買取制度(FIT)がスタート、急速に導入が拡大した。2021年には78.2GWもの導入量となっている。
一方で太陽光パネルの寿命は25〜30年程度とされており、FIT制度で認められた発電事業が終了する2040年頃には使用済みパネルの大量廃棄が見込まれている。
「現在、使用済みパネルの排出は本格化していないが、施工不良や自然災害などにより、すでに発生しており、NEDOの試算によると廃棄ピークを迎える2036年頃には年間20万トン前後の排出が見込まれています」(濵田氏)
(同協会オフィスにて 濱田代表理事(左)と田部理事)
累積では2050年までに600万トン〜700万トンもの使用済みパネルが廃棄されると想定されている。
太陽光パネルは複雑な構造をしており、現状の主な処分方法は資源価値があり、解体しやすいアルミフレームを取り外し、残りは破砕後、最終処分場に埋め立てを行うのが一般的となっている。また、同パネルは鉛やセレンなどの有害物質を含むこともあるため、適正な処理が求められる。
このため、環境省が太陽光パネル等のリユース・リサイクル、適正処分のための既存の法制度や留意事項等を整理したガイドラインを作成し、関係者に周知を図るなどの施策が講じられてきた。しかしこれを遵守しない業者による不適正なリユース・リサイクルが行われているのが現状である。
もちろん多くの業種が適正な取り扱いを行なっているが、今後、一層推進させていくには、(1)法整備・規制による適正処理の促進、(2)新たなリユース・リサイクル技術の研究・開発、(3)リサイクル資源(ガラス・バックシート等)の基準作りと付加価値向上のための研究・開発、(4)太陽光発電にかかるすべてのステークホルダーによる連携、(5)適切なリユース・リサイクル促進のための普及啓発活動等、多くの課題が残されている。
「当協会は関係省庁および地方自治体のカウンターパートナーとしての役割を担うため、同業者だけでなく、発電事業者、太陽光パネルメーカー、リサイクル装置メーカー、ガラスメーカー、学術研究者などの様々な主体と連携し、課題解決に向けた幅広い活動を展開し、使用済みパネルの適切なリユース・リサイクルスキーム確立することを目指します」(濵田氏)
※第一回総会に関するお問い合わせは、以下HPから。
(IRuniverse kaneshige)