大平洋金属株式会社(東京都千代田区、代表取締役:青山正幸、以下大平洋金属)及びマ イクロ波化学株式会社(大阪府吹田市、代表取締役社長 CEO:吉野巌、以下 マイクロ波化学) は、マイクロ波を利用したニッケル製錬技術について共同開発契約を締結したことを23日に発表した。小型実証試験を共 同で進め、事業性を検証していく。

大平洋金属のリリースによると、
金属製錬分野は、2022 年 5 月に経済安全保障推進法が成立し、現在、特定の国に依存している 特定重要物資に指定された金属鉱産物(レアメタルなど)の安定確保が急務となっています。その金属 鉱産物に位置づけられているニッケルは、ステンレス鋼や電気自動車(EV)用リチウムイオンバッテリーに 必要とされる重要な金属です。
大平洋金属は、ニッケルを中心に金属製錬技術を持ち、主力事業として海外から輸入するニッケル鉱 石を主原料とした鉄とニッケルの合金であるフェロニッケル(ステンレス鋼の原料)を国内で製造しており、 中期経営計画の重点施策では「GHG 排出量の低減」を掲げ、プロセスの化石燃料からの脱却を計って います。
マイクロ波化学は、2014 年に世界で初めてマイクロ波を用いた大型化学プラントでの製造プロセ ス開発に成功。近年は、鉱山開発プロセスに向けてマイクロ波技術プラットフォーム「Green Mining- MXTM」を構築しています。
大平洋金属とマイクロ波化学は、ニッケル鉱石製錬時における CO2 排出の主要因である煆焼(かしょ う)※1 プロセスを、従来技術で使用している石炭燃焼のエネルギーから電気で発生するマイクロ波に置き 換えることについて 2022 年よりラボ検討を実施してきました。その結果、CO2排出量の大幅な削減、及 び熱効率改善による省エネルギー化の見通しを得ました。
今回の共同開発においては、両社で小型実証設備にてスケールアップに必要なデータを取得するため に試験を行います。
良好な結果が得られれば、今後、次のステップである大型実証機により実証稼働に進み、2030 年度 を目処に実機導入を目指し、これにより、国内におけるニッケルの安定供給に貢献いたします。
大平洋金属は、2050 年度のカーボンニュートラル達成を目指し、2030 年度には GHG 排出量を 2013 年度比で 46%以上削減する方針です。新たなプロセスへの転換とともに、この技術を他の金属鉱産物 にも応用可能なものとし、長期ビジョン「持続可能な循環型社会を共創する総合素材カンパニー」を実現し、サステナブルな事業を進めてまいります。
マイクロ波化学は、様々な鉱山開発プロセスに Green Mining-MXTM の導入を推進することで、金属鉱物資源のサプライチェーン強化と脱炭素化に貢献してまいります。
*1 鉱石に含まれる結晶水を高温で完全除去するための熱処理プロセス

(IRuniverse/MIRU)