中国の金先物相場の下落の波紋が広がっている。上海の金相場が9月28日に急落し、9月29日は米国や日本の金相場も軟調な展開となった。中国ではこれまで不動産不況などを受けて金相場が上昇していたが、中秋節・国慶節の大型連休入りと期末を控え、利益確定目的の売りが出たもようだ。
9月28日の上海先物取引所で金先物の繰延取引価格は1グラム=446.00元と、前日23時時点から3.5%下落した。同日のNY金価格は0.7%、日本の山元建値は1.0%のそれぞれ下落で、中国市場での下落が際立った。
上海の金の繰延取引の価格推移
(出所:上海期貨交易所)
過去3か月間のNY金と山元建値の値動き
Mining.comの9月29日までの報道によると、中国ではこれまで、不動産不況や株式相場の低迷などを背景に、金に投資資金を傾ける動きが強かった。人民元の対米ドルでの低迷も、海外資産を買うよりも中国国内資産を買う動きを後押ししたという。ただ、ここにきて休暇前の手じまい売りや期末のポートフォリオ調整などから売りが膨らんだとみられる。同日は売買代金も大きく増えた。
(IR Universe Kure)