2026年4-6月期のアルミ新地金の対日割増金(プレミアム)交渉がストップしている。中東紛争の影響により、同地域のアルミメーカー2社が、精錬所の閉鎖と製品出荷の停止といった状況になっている。それに加え、ホルムズ海峡の事実上の封鎖も交渉停滞の要因となっている。紛争前、一部の生産者による提示額はトン当たり250ドルで、近年の中では最高値となっており、26年1‐3月期の決着価格を約1.3倍上回る水準だ。製錬所の電力問題・事故や関税問題などの余波で競りあがった欧米のプレミアム事情が、日本のプレミアムに水準訂正を迫っていた状況だったが、紛争による供給懸念も加味すれば、さらに上値を試す展開になりそう。

(対日アルミ新地金プレミアム価格(quarter)の推移 $/ton)表はMIRU作成
中東のアルミの現場は深刻なようだ。ノルウェーアルミのノルスク・ハイドロが3日、自社ホームページ上で「カタールでのアルミ精錬所を閉鎖した」と発表。同社はカタールの地場企業と合弁で、カタールでアルミ生産を手掛けている。中東での紛争激化で、ガス供給業者からガス供給を停止すると通知され、精錬所の閉鎖に踏み切った。
またアルミニウム・バーレーン(Alba、アルバ)でも4日、「製品出荷を停止したと顧客に通知した」との報道があった。同社の報担当者は「ホルムズ海峡の事実上の封鎖で出荷ができなくなっている。生産は継続しているが、製品はアルバ社内で滞留している」と説明。さらに「製錬施設への障害や損傷は現在のところない」とした上で、「代替輸送手段の確保に取り組んでいる」と述べたという。
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精錬所の停止や海峡の封鎖などの要因が、アルミ市場に不透明感をもたらし、対日四半期プレミアムの交渉を停滞させている状況だ。
「日本は、ビレット、スラブや自動車ホイール合金を中東からそれなりに輸入をしていたので、今回の紛争は、国内アルミ関係者に影響を与えるだろう」(商社筋)との声も聞こえる。
そのような動向を映し、対日向けプレミアムのスポット価格は、11日現在、5日比安値50ドル・高値60ドル高のトン当たり200‐250ドルで推移しているが、「まだまだ上げ余地を残している状況だ」(同)という。欧州向け・米国中西部向けプレミアムもともに、同日現在、同安値60ドル・高値65ドル、同安値3セント・高値2セント高の同410‐445ドル、ポンド当たり106‐107セントの高値圏で推移している。

日本向けアルミ新地金プレミアムのスポット相場

欧州ロッテルダムアルミ新地金プレミアムと米国中西部アルミ新地金プレミアムのスポット相場
交渉は停滞しているが、「(再開すれば)交渉は早期に決着する可能性もある。紛争前から日本の需要家が、水準訂正を迫られていたことを考えれば、海外生産者の売り手市場。そして今回の中東要因を織り込めば、歴史的な高値決着は必至なので、需要家は交渉を続けても仕方ない」(市場関係者)との指摘もあり、今後の行方に注目だ。
(IRuniverse G・Mochizuki)