韓国産業通商資源部が10月4日に発表した2023年1-9月期の対韓直接投資(FDI)は認可ベースで前年同期比11.3%増の239億5000万ドルと過去最高額を記録した。中でも中華圏からの投資が49.9%増えた。米インフレ抑制法(IRA)による規制を避けたい中国企業が迂回目的で韓国への投資を進めており、一役買っている可能性がある。
1-9月期の対韓FDIのうち、欧州連合(EU)からの投資も38.1%増と大きく増えた。一方で米国からの投資は27.2%、日本からは10.5%それぞれ減った。業種別では製造業が15.7%増え、このうち半導体産業が27%、化学産業が61%それぞれ増えた。サービス業への直接投資は9%増だった。
米IRAでは中国産のバッテリーの米輸入が禁止されている。このため、中国の電池企業などは米国と自由貿易協定(FTA)を結んでいる韓国の企業と合弁・提携する形で工場などを同国に建設し、韓国産として製品を輸出することで米規制を回避しようとする動きが目立っている。
中国のコバルト大手である浙江華友コバルト業は7月、韓国鉄鋼のポスコ・ホールディングスとの合弁リチウムイオンバッテリー(LIB)リサイクル工場が竣工したと発表した。華友はLG電子などLGグループとも協業している。
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(IR Universe Kure)