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中国の電池企業、韓国経由で米国目指す IRA1年、合弁や工場設置で規制回避へ

 米国が2022年8月にインフレ抑制法(IRA)を発効してから早や1年。規制の背景には特に中国を意識したエネルギー覇権競争があり、米国内での生産を優遇するなど中国企業の米市場からの締め出しも目的の1つだった。しかし、中国企業側も負けてはいない。足元では韓国企業と合弁したり、韓国に工場を設置したりする中国電池企業が増えている。韓国拠点の形を採ることで、規制を回避し米国に進出しようとする試みだ。

 

■サプライチェーン入り視野に対韓投資

 三元電池材料で中国2割のシェアを持つ寧波容百科技は7月下旬、上海証券取引所で、「韓国の新万金国家産業パークでの工場設置認可を得た」と発表した。建設理由には「米IRA実施後、米国と自由貿易協定(FTA)を結ぶ韓国は電池材料の輸出拠点の1つになっている」と指摘、「世界の新材料の供給網(サプライチェーン)に食い込むためにも対韓投資は意味がある」と説明した。8月初旬の新浪網の報道によると、同社は「中国国内のバッテリーメーカー間の競争は厳しく、海外輸出を強化したい」方針を示したという。

 

容百科技の対韓投資公告(表紙)

(出典: 上海証券取引所)

 

 対韓投資を進めるのは大手も同じだ。コバルト大手の華友コバルトは7月半ばにホームページ上で、「韓国鉄鋼大手のポスコ・ホールディングスとの合弁会社である『ポスコHYクリーンメタルのLIBリサイクル工場が7月初旬に竣工した』」と発表した。工場は韓国の全羅南道の光陽市に位置する。

 他にも、リチウム電池材料の中仏新材料は6月に深圳証券取引所で、香港に拠点を置く同社の新材料子会社がポスコと合弁会社を設立したと発表した。

 

■迂回で目指す米国への道

 米国のIRAには日本も苦戦させられ、2023年4月に決まった最大7500ドルのEV向け補助金支給では、米国で生産する日系メーカーも含めてすべての自動車企業が支給対象から外されたことは記憶に新しい。

 IRAには成立時に「リチウム、コバルトなど中国産のバッテリー材料を含む電気自動車(EV)を支援対象から外す」と明記されており、中国側が世界貿易機関(WTO)に違反として訴えた経緯がある。一方で、中国バッテリー企業の対米輸出が不利になったことで、韓国では当初、「韓国のバッテリー企業に反射利益がありそうだ」との観測があった。韓国は日本と同じく米国とFTAを結んでもいる。

 米国だけでなく、世界的に脱中国依存の動きが強まる中、中国企業の海外事業は厳しくなりつつある。日本を含めた第三国経由で中国企業が海外展開を模索する動きは、今後も多様な分野で強まる可能性がある。

 

関連記事:ポスコHYクリーンメタルのLIBリサイクル工場が竣工 | MIRU (iru-miru.com)

 

 

(IR Universe Kure)

 

 

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