
PETケミカルリサイクル技術関連事業を展開するJEPLAN(神奈川県川崎市、髙尾正樹社長)と日立造船(大阪市、桑原道社長)は18日、繊維製品の熱分解ガス化に向けた共同実証と事業化検討に関する基本合意書を6月に締結したと発表した。混紡繊維のポリエステルへの再生を目指す。
熱分解ガス化は、繊維などの廃棄物を酸素がない環境で高温に加熱し、有用なガスに変換する技術。廃棄物中の炭素を可燃ガスに変換するため、焼却処理と比べて二酸化炭素(CO₂)の排出を抑制する。同合意では、混紡繊維を有用なガスに変換し、服の原料であるポリエステルへの再生を図る。日立造船の熱分解ガス化技術とJEPLANの衣類回収スキームや衣類製造・販売に関するノウハウを活かすことで、使用済衣類のさらなる資源循環を推進する考えだ。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)技術戦略研究センターが2023年10月に発表したレポートによれば、衣類の国内新規供給量の81.9万トンに対し、その9割に相当する 78.7 万トンが事業所や家庭から使用後に手放されている。このうち熱回収も含め廃棄される量は51.0万トンで、手放される衣類の 64.8%を占める。一方、リユースされる量は15.4万トン、リサイクルされる量は12.3万トンに留まっており、早急な解決が求められている
(IRuniverse K.Kuribara)