エンビプロ・ホールディングスはこのほど、2024年6月期決算説明会を開催した。需要の高まりが予想されるリチウムイオン電池リサイクル事業については、工程廃材や廃バッテリーの調達力をさらに拡充し、2024年の取扱量を前年比で20%伸長させる方針を示した。
また、リチウムイオン電池(LIB)からブラックマスを製造する茨城県の新拠点が新たに稼働したことを報告した。破砕選別ラインの試運転を7月頃から開始しており、9月頃には「一定の安定した稼働」が可能だという。稼働ができる茨城工場の年間処理能力は約5000t。廃LIB発生が見込まれる工場の工程廃材回収のほか、人口集積地の関東圏からの使用済みLIBの回収も見込んでいる。
説明会の終盤には佐野富和社長が湿式製錬実証プラントの稼動に向けたプロセスについて言及した。同氏は「ずっとお題目を唱えてなかなか実現しない状況の中にある」とした上で、「我々単独ではきっと難しいんだろうなという中、いろんな会社との関係性の中からその可能性を見出していきたい」と方針を語った。
質疑応答でもリチウムイオン電池リサイクル事業に関する質問が多く挙がった。関西のブラックマス拠点の立地については、リサーチ中とのこと。「最近は建設費用が高いので、茨城工場と同じように工場の居抜きのような形でやれたら投資が抑えられる」(佐野社長)と期待を寄せた。
(IRuniverse K.Kuribara)