
「iconos™」を活用して被覆処理を施したニッケルマンガン酸リチウム正極材料
三井金属は19日、レアメタル新溶液「iconos™」を活用したマンガン系正極材料(LiNi0.5Mn1.5O4 / LiMn2O4)を開発したと発表した。リチウムイオン電池で長年実用化の課題であった高電位領域でのマンガン溶出やガス発生の克服に成功している。
マンガン系正極材料であるニッケルマンガン酸リチウム(LNMO)は、その高い作動電位により高出力で高いエネルギー密度を実現できる正極材料ですが、高電位領域における電解液との副反応により、正極成分からマンガン溶出やガス発生の懸念があり、実用化への大きな障壁となっていた。
三井金属は、独自の溶解技術により難溶性というハードルを克服した各種元素の新溶液材料シリーズ「iconos™」を活用し、同社が保有している次世代ニッケルマンガン酸リチウム正極材料への応用を検討。P-Taを被覆することで技術課題を克服したニッケルマンガン酸リチウム正極材料(LiNi0.5Mn1.5O4)の開発に至った。マンガン溶出が起因で実用化が困難であった用途や、入出力特性が必要とされるアプリケーションへの展開が期待できる。
(IRuniverse K.Kuribara)