
住友電気工業(大阪市中央区、井上治社長)は19日、ディーピーエス(DPS、京都市西京区、白鴻志社長)と、フレキシブルプリント回路(FPC)製造工程で使用されるレアメタルの回収事業に関する契約を8日付で締結したと発表した。
FPCの製造工程では、めっき処理を効率よく行うための触媒として、パラジウム(Pd)が多く使用されており、FPC表面に付着したPdを含む薬液を洗浄工程にて洗い流す際に、微量のPdが回収できず洗浄排水として処理されている事が課題となっていた。
これを受け、DPSが超低濃度で排水に含まれたパラジウム(Pd)を吸着・回収する技術提案を住友電工のベトナムのFPC製造拠点に対し実施。現場検証を経て正式採用に至ったという。回収されたPdを日本国内の金属精錬業者に売却するスキームを確立することで、原価低減を推進するとともに、レアメタルであるPdの国際資源循環や採掘・精錬に伴う環境負荷低減が可能となる見込みだ。現在、他のFPC製造拠点やFPC以外の製造工程にもDPS社の技術の応用を検討している。
(IRuniverse K.Kuribara)