フェロニッケルメーカーの大平洋金属(パシフィック・メタルズ、PAMCO)は2月19日、自社ホームページ上で、「カナダ深海鉱物調査会社のザ・メタルズ(The metals company、TMC)との共同実験で、深海で採掘したサンプルから高品位のニッケル-銅-コバルト合金とケイ酸マンガンを生産した」と発表した。これらの物質の商業規模生産は世界初。
TMCも2月18日、リリースメディアのワールドビジネスワイヤを通じ同様のリリースを出した。
プレスリリース(大平洋金属:)20250220013504-1.pdf
プレスリリース(TMC): World First: TMC and PAMCO Achieve a New Nodule Processing
大平洋金属の子会社が2022 年に太平洋上の公海の深海底(Clarion Clipperton Zone)で実施した試験採掘の際に採取した多金属ノジュール(マンガンノジュール)サンプルを使い、大平洋金属が所有する青森県八戸市の電気アーク炉(RKEF)で実験した。
両社は2月に、小規模のニッケル・銅・コバルト合金と珪酸マンガンについては安定製造することに成功していた。今回の実験は処理量が大きく、商業規模となる。ニッケル・銅・コバルト合金はバッテリー原料に、珪酸マンガンは製鋼用添加材の原料(マンガン鉱石の代替)として利用が見込まれるとしている。発表を受け、TMCの株価は上場する米ニューヨーク株式市場で一時急騰した。
(IR Universe Kure)