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速報:EU使用済み自動車規則案、暫定合意へ

2025/12/15 15:56
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速報:EU使用済み自動車規則案、暫定合意へ

EU理事会は12月12日、使用済み自動車規則案をめぐり10月から行われていた三者協議(トリローグ)において、欧州議会との暫定合意に達したと発表した。11月の段階では、EUに近い業界関係者は、審議の必要な内容が数多く残されており、最終化は来年に持ち越されるとの見方が強かったが、この1ヶ月で審議が大きく進展したようだ。

これまでの法案審議で最も時間が費やされた要件の一つであるプラスチック再生材含有目標値については、11月に時点でもまだ審議が進んでいなかったため、最後まで残されるとの予測であった。本要件についても加速されたようである。暫定合意の概要をみると、EU理事会が提案し段階的導入で合意されており、まず15%かスタートする。この数字については、これまで高い目標値を支持するプラスチックリサイクル業界と引き下げを要求する自動車OEM間で大きく意見が分かれた。最終的に、当初の欧州委員会提案の25%から大きく引き下げられた形となり、ここには自動車OEMの意見が大きく反映されたことになる。クローズドループについては20%でポスト・コンシューマー由来とされた。

一方で、拡大生産者責任については、2025年4月に発覚した欧州自動車OEMによるカルテルスキャンダルなども背景もあり、これまで曖昧だった今回は生産者による財政負担の詳細が明確にされ、内容も強化された。規則の適用範囲については、当初の欧州委員会の内容から拡大され、全ての大型車・二輪車、特殊用途車両も対象となっている。

以下に主な暫定合意案の内容を示す。

適用範囲:(処理要件(回収・無害化・部品の除去義務)

  • 乗用車・軽商用ヴァン
  • 全ての大型車両(トラックなど)
  • 二輪車
  • 特殊用途車両(大型・小型)

*大型特殊用と車両については、小規模な生産者は免除

再生材含有目標値:プラスチックの再生材含有目標は、10年間で段階的な導入

  • 6年で15%
  • 10年で25%
  • クローズドループは20%(PCR由来)
  • 規則の発効後1年以内に実施される実行可能性調査に基づき、欧州委員会は、銅・アルミニウム・マグネシウム・その他の重要な原材料に関する再生材含有目標値の導入を委任法令にて設定する。(対象はPCRを基本)

使用済み自動車の定義:

  • 車両における廃棄物基準の設定
  • 所有権の移転時条件の厳格化と車両が行方不明になると思われる状況において書類申告の義務化:①車両が保険会社により経済的に「全損」と見なされた場合②売買取引がオンラインプラットフォーム上で行われ、売主と買主の間で物理的な引き渡しを行わない場合

拡大生産者責任:

  • 全ての使用済み自動車の無償回収と適切な処理の保証
  • 国境を超えた拡大生産社制度を確立し、どの加盟国で自動車が使用済みになるかに関わらず、生産者が車両の処理に対して財政的な責任を引き続き負う

輸出:

  • EU域内で走行不能となった中古車の輸出を禁止
  • 禁止措置は規則発効後5年で適用を開始

今後は、正式な採択に向け、EU理事会と欧州議会による承認が必要となるが、年内に最終化されるのかあるいは年明けに持ち越されるのかについては、承認に要する時間次第と思われる。

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SCHANZ, Yukari

 オーストリア、ウィーン在住フリーライター。現在、ウィーンとパリを拠点に、欧州におけるフランス語、英語圏の文化、経済、産業、政治、環境リサイクル分野での執筆活動および政策調査に携わっている。専門は国際政治、軍事、語学。

 趣味は、書道、絵画、旅行、フランスワインの飲酒、カラオケ、犬の飼育。

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