ノベリス(Novelis)は先週22日、神戸製鋼所との合弁会社である蔚山アルミニウム(Ulsan Aluminum Ltd.)において、韓国・蔚山の新たなアルミリサイクルセンターが稼働を開始したと発表した。新施設は韓国・蔚山に設けられ、年間10万トンの低炭素アルミニウム板インゴットの生産能力を持つ。
本リサイクルセンターは、ノベリスが全額出資し、投資額は6,500万ドル。飲料缶、自動車、産業用途など多様なスクラップアルミを処理できる設備を備えており、韓国国内での年間リサイクル能力は従来の拠点と合わせて約47万トンに達した。
この施設の稼働により、年間約42万トンのCO₂排出削減が見込まれている。これは、約1,900万本の成木が年間に吸収するCO₂量に相当する。アルミニウムのリサイクルは、ボーキサイトからの新規製造に比べてエネルギー消費と温室効果ガス排出量を95%削減できる。
蔚山アルミニウムは2017年にノベリスと神戸製鋼が折半出資で設立。年間30万トンの圧延アルミ製品を生産しており、神戸製鋼はその最大50%の引き取り権を持つ。自動車の軽量化需要が拡大する中、両社は持続可能な低炭素アルミの供給体制を強化し、アジア市場での事業拡大を図る。
ノベリスは、2030年までに平均リサイクル含有率75%、出荷の平圧製品トンあたりのCO₂排出量3トン未満の達成を目指す「Novelis 3×30」ビジョンを掲げており、今回の投資はその一環となる。
(IRuniverse Lin)