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週刊バッテリートピックス「ミライラボとあいおい提携」「TDK前期34%の増益」など

2025/05/06 17:33

 2025年4月28日~5月6日のバッテリー業界は静けさが目立った。日本はゴールデンウイークの連休、欧米をはじめとする世界も5月1日はメーデーの祝日で、企業の動きは低調だった。この中でもミライラボとあいおいニッセイの資本提携やTDKの好業績は、電池需要の中長期的な堅調を加持させる明るい話題だった。

 

<国内>

●ミライラボ、あいおいニッセイと資本提携

 MIRAI-LABO(ミライラボ、本社:東京都八王子市)とMS&ADインシュアランスグループのあいおいニッセイ同和損害保険は5月1日、資本業務提携契約を同日に締結したと発表した。中古の電気自動車(EV)バッテリーの供給・診断および再生・二次流通を循環させる仕組みを構築する。

 

関連記事:ミライラボ、中古EVバッテリーの二次流通促進へあいおいニッセイ同和損保と提携 | MIRU

 

●熊本大など、非白金触媒の開発に成功 燃料電池材料

 熊本大学は4月30日、ホームページ上で、「東京科学大学や静岡大学、旭化成らとの共同研究グループが、燃料電池材料の非白金触媒の開発に成功した」と発表した。現在用いられている白金触媒に比べ低コストの材料になるとの期待がある。

 

(出所:熊本大学の発表資料)

 

プレスリリース:燃料電池触媒の非白金化へ前進 ~高耐久性コバルト触媒の開発に成功~ | 熊本大学

 

●TDK、今後3年に小型二次電池などに4500億円 前期は34%の増益

 

 TDKが4月28日に発表した2025年3月期決算は、売上高が前の期比4.8%増の2兆2048億円、純利益が34.1%増の1671億円だった。2026年3月期は売上高が2兆1200億2兆2000億円、純利益は1350億-1700億円を見込む。

 2027年3月期までの3年間の設備投資額は、2024年5月公表比1000億円増の8000億円に引き上げる。このうち、スマートフォン向け小型二次電池を含むエナジー応用製品事業に、全体の半分以上を占める4500億円を充てる。

 

プレスリリース:2025042800_09YwIctV_jp.pdf

 

<海外>

●米EVリビアン、関税前に中国製電池を調達か ブルームバーグ報道

  米EVのリビアン・オートモーティブが、トランプ米大統領の関税発動前、ひそかにアジアからEV用バッテリーを確保し備蓄していたもようだ。米ブルームバーグ通信が5月1日に伝えた。

 同社は米大統領選前の2024年後半、中国電池の国軒高科(ゴディオン)からリン酸鉄リチウムイオン(LFP)バッテリーを直接調達した。韓国のサムスンSDIからもバッテリー在庫の米国移管で協力したという。

 

●中国ロンジ、ペロブスカイト電池などの変換効率が世界記録

 中国太陽光発電設備の隆基绿能科技(ロンジ、LONGi Green Energy Technology Co., Ltd. 本社:中国西安市)は4月30日、自社ホームページ上で、「ペロブスカイトと結晶シリコンによるタンデム(多接合)型太陽電池セルが、それぞれ変換効率の世界記録を更新した」と発表した。

ロンジ製品の変換効率

(出所:ロンジホームページ)

 

●ステランティス、全固体電池セルの検証が成功

 ステランティスは4月24日、自社ホームページ上で、「車載電池スタートアップの米ファクトリカル・エナジーと共同開発した車載向け全固体電池セルの検証が成功した」と発表した。

 

プレスリリース:Stellantis and Factorial Energy Reach Key Milestone in Solid-State Battery Development | Stellantis

 

(IR Universe Kure)

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