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週刊バッテリートピックス「ホンダが工場建設見直し」「中国EV交換新基準」など

2025/07/06 16:21
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 2025年6月30日~7月6日のバッテリー業界では、ホンダの栃木工場の建設計画延期が大きなニュースだった。電気自動車(EV)の減速が意識され、バッテリー業界にも影響が続く。一方で、東北大の新研究など新たな技術の開発は引き続き活発だ。中国ではEV交換ステーションの基準が新しくなるなど、各国で法整備も進んでいる。

 

 

 IR Universe9月25日、第12回Battery Summit を開催する。今回は、中国の金属情報プロバイダーSMM(上海有色網)との共催となる。 

 

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日程

2025年9月25日(木)13:00~18:30

2025年9月26日(金)バッテリー関連工場訪問予定

 

会場

東京国際フォーラム Hall D7

〒100-0005 東京都千代田区丸の内3丁目5-1

 

<国内>

●政府、モバイルバッテリーを指定再資源化製品に 8月にも

 日本政府は、自主回収とリサイクルを事業者に義務付ける「指定再資源化製品」に、モバイルバッテリーと携帯電話、加熱式たばこ機器の3品目を追加する方針を固めた。読売新聞が7月5日に伝えた。

 経済産業省と環境省が、メーカーや輸入販売事業者など関連業界に聞き取りした上で、8月をめどに正式に決めるもようだ。2026年4月の改正資源有効利用促進法の施行に合わせ、政令で再資源化製品に追加指定する。内蔵する小型リチウム蓄電池による火災が相次いでおり、対策を強化する。

 

●東陽テクニカ、仏バイオロジックの中国販売代理権を取得

 

 

 東陽テクニカ(本社:東京・中央)は7月3日、自社ホームページ上で、「フランスのバイオロジック(BioLogic Science Instruments SAS)の電池充放電評価装置カテゴリーの販売について、中国での総代理店権を取得した」と発表した。

 同社は6月下旬には、バイオロジックとのOEM(相手先ブランド製造)提供の開始を発表したばかりだった。

 

プレスリリース:仏・BioLogic社製 電池充放電評価装置カテゴリーについて中国全土での総代理店権を取得

関連記事:週刊バッテリートピックス「夏バテに注意」「Eキューブが三元系の無力化技術」など | MIRU

 

●東北大、もみ殻から燃料電池触媒

 東北大学学際科学フロンティア研究所の研究グループは7月3日、ホームページ上で、「もみ殻と鉱山副産物から高耐久性燃料電池触媒を開発した」と発表した。再生可能エネルギーの貯蔵や、白金など希少な非鉄金属であるレアメタル依存の低減への貢献が期待される。

 これまで活性炭や電極材料では除去対象だったもみ殻中の非晶質シリカ(アモルファスSiO2)が、触媒として機能するパイライト内の鉄と結合し、安定性を高める可能性が示された。

 

開発の概要

(出所:東北大プレスリリース)

 

 プレスリリース: もみ殻と鉱山副産物から高耐久性燃料電池触媒を開発 | ニュース | 東北大学 工学研究科・工学部

 

●電通総研、蓄電池の業務支援で認証

 電通総研(本社:東京・港)は6月30日、一般社団法人自動車・蓄電池トレーサビリティ推進センター(以下「ABtC」)の認証プログラムで「業務支援事業者認証」を取得した。企業としての同認証の取得は国内で2例目。

 

関連記事:電通総研 自動車・蓄電池トレーサビリティ推進センターの業務支援事業者認証取得 | MIRU

 

●アサカ総研、LIBリサイクルの事業拡大へ

 貴金属、銅、リチウムイオンバッテリー(LIB)リサイクルのアサカ理研は6月30日、投資家向け説明会をWEBで開催し、LIBリサイクルなどの大幅な事業拡大目標を掲げた。

 

関連記事:アサカ理研 LIB再生事業などで営利30億円目標 2034年 | MIRU

 

●ホンダ、栃木の電池工場の建設見直し 27年から稼働予定も未定に

 本田技研工業(Honda、ホンダ)は6月30日、栃木県真岡で予定していた次世代燃料電池モジュール専用生産工場の建設計画を見直すと発表した。2027年から操業の計画だったが、稼働時期は当面未定とする。併せて生産能力を3割減の年2万基以下に引き下げる。

 

関連記事:本田技研工業、次世代燃料電池モジュール生産工場の計画見直しを発表 | MIRU

 

<海外>

●経産省、インドで「電池と重要鉱物のエコシステム会議」

 

会議の様子

(出所:経産省ホームページ)

 

 経済産業省と日本貿易振興機構(ジェトロ)は7月2日、インド・ニューデリーの日本大使館で、「電池と重要鉱物のエコシステム会議」を開催した。日印両国から計約70社が参加した。

 

関連記事:インドでバッテリーサプライチェーンに関する日印連携強化イベントが開催される | MIRU

プレスリリース:インド共和国においてバッテリー・重要鉱物サプライチェーンに関するイベントを開催しました (METI/経済産業省)

 

●中国、EVバッテリー交換ステーションなどで新基準 1日から

 中国で7月1日から、EVのバッテリー交換ステーションや都市物流配送車両などの国家基準が新たに施行された。現地メディアの日本語翻訳媒体であるレコード・チャイナなどが7月2日までに伝えた。

 このうち、「電気自動車バッテリー交換ステーション共通技術要求」では、バッテリー交換ステーションの構造、安全、電力供給、充電設備、モニタリングシステム、駐車場や標識に至るまで詳細な技術要件が定められた。これにより、車種や利用シーンが多様化する中でも、安全で効率的なバッテリー交換インフラの整備が進むとされた。

 

●豪フォンテスキュー、電池関連で会見に不備か

 オーストラリアン・ファイナンシャル・レビュー(AFR)などの豪現地紙は7月1日、同国鉄鉱石大手のフォーテスキュー・メタルズ(Fortescue Metals)の英バッテリー製造事業に関し、決算上の不備があったと伝えた。

 

関連記事:豪Fortescueの英バッテリー製造事業 損失急拡大も楽観的か バッテリー駆動車の製造など | MIRU

 

●豪アンソンと韓国ポスコ、リチウム関連で覚書

 豪資源開発のアンソン・リソーシズ(Anson Resources)と韓国鉄鋼のポスコ(POSCO Holding)は6月30日、「グリーン・リバー・リチウム直接抽出(DLE)実証プラントの開発に関する拘束力のない覚書に調印した」とそれぞれ発表した。。

 

関連記事:韓国POSCO 豪Anson Resources社と米国でリチウム直接抽出(DLE)実証プラント建設を目指す | MIRU

 

(IR Universe Kure)

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