ブラジル資源大手ヴァ―レが、インドネシアでのニッケル工場の建設計画を巡り、新たな提携先を模索しているようだ。IDXケミカルなどの外電が7月24日に伝えた。かつて住友金属鉱山に持ち込まれていた案件で、中国企業と米フォードの協力のもとに建設計画を進めるが、新たに韓国企業に協力を働き掛けているという。
■韓国企業との提携模索か
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報道によると、ヴァ―レの経営陣は同日、IDXの情報開示で、「韓国を含む外国人投資家とのパートナーシップを確立することに前向きだ」と述べた。
建設を予定するのは、インドネシア東南部スラウェシ島のポマラ地区に建設予定の混合水酸化物沈殿物(MHP)工場。「高圧酸浸出」技術(HPAL)を使用して、低品位の鉱石からMHPを生産し、電気自動車(EV)向け車載バッテリー材料に充てる。年産量は約12万トン、2027年の操業開始を予定する、
この工場の建設計画は当初、住友金属鉱山に持ち込まれていたが、住友は2022年にスケジュールが合わなかったことなどを理由に撤退した。現在は中国金属採掘大手の浙江華友コバルト業と米自動車のフォード・モーターズが参画する。
■4-6月のニッケル生産は44%増
ヴァ―レが7月22日に発表した2025年4-6月期の生産報告で、ニッケルの生産量は4万300トンと前年同基礎44.4%増えた。1-6月期でも25%の増加。販売量は4-6月期に21%、1-6月期に19%それぞれ増え、鉄鉱石や銅などが伸び悩む中で堅調だった。同社としても新事業としてニッケルに注力していくことが予想される。
プレスリリース:Production and Sales Report 2Q25 - Vale
ヴァ―レの2025年4-6月期と1-6月期の生産概要
(出所:ヴァ―レホームページ)
(IR Universe Kure)