中国の華友コバルト、インドネシアMHP工場の建設進展か フォード、ヴァ―レと協業
中国金属採掘大手の浙江華友コバルト業がインドネシアで計画中のニッケル工場建設計画が進展しているようだ。米ブルームバーグ通信が11月7日、「華友が英銀に建設資金の融資を求めている」との消息筋の話を伝えた。工場は米フォード・モーターズとブラジルのヴァ―レ系との3社で建設する予定で、完成すれば世界最大規模の混合水酸化物沈殿物(MHP)工場となる。
■MHPを年間12万トン生産
ブルームバーグによると、華友はHSBCホールディングスとスタンダード・チャータード銀行の英銀2行に対し、27億ドル(約4100億円)の融資を求めている。華友は2023年の資料で、同工場の投資総額を38億程度と見積もっていたという。
3社は2023年3月に工場の共同建設について合意した。権益比率は華友が73.2%、ヴァ―レ傘下のヴァ―レインドネシア(PTVI)が18.3%、フォードが8.5%。フォードの持ち分は一定期間内に17%まで引き上げることが可能だ。
工場はインドネシア東南部スラウェシ島のポマラ地区に建設予定のMHP工場。「高圧酸浸出」技術(HPAL)を使用して、低品位の鉱石からMHPを生産し電気自動車(EV)向け車載バッテリー材料に充てる。年産量は約12万トン、工期は3年ほどと見込まれている。
■当初は住友が協業計画も撤退、華友が名乗り
このポマラ・プロジェクトは当初、住友金属鉱山がヴァ―レに持ち込まれていた案件だった。ただ、住友は2022年にスケジュールが合わなかったことなどを理由に撤退。その後、華友が名乗りを上げ、フォードも参画したという経緯がある。
インドネシアは単純な資源国から工業立国への転換を目指す。ニッケルを巡っては2023年から鉱石輸出を禁止し、加工業への外資投資を奨励する。中国からの投資も引き続き呼び込みたい考えで、10月に就任したプラポウォ新大統領は、11月8日に訪中する。
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(IR Universe Kure)
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