
東京製鐵は18日、低 CO₂鋼材「ほぼゼロ」の追加料金部分を 9 月契約価格から、従来の6000円/tから 100 円値下げし、5900円/t にて販売すると発表した。2024年度の製品製造段階における電力起因のCO₂排出原単位が減少したことを反映した形となる。
「ほぼゼロ」は追加性のある非化石証書やデマンド・レスポンスなどを活用し、製造時のCO₂を削減したグリーン鋼材。同社製品1トンの製造段階におけるCO₂排出量は、高炉製品の1/5にあたる約0.4トンであるのに対し、「ほぼゼロ」では約0.1トンまで大幅に削減している。
「ほぼゼロ」の従前追加料金部分6000円/tは、IEA(国際エネルギー機関)の「2050 年ネットゼロ排出シナリオ(NZE)」における、2030 年時点の先進国カーボンプライス(140ドル/t-CO₂)と、再エネで削減できる CO₂「0.3t分」をかけあわせるなどして、「CO₂に見合う」値付けをしたもの。電力会社における電源構成の変化に加え、太陽光発電設備の増設、電力の省エネルギー活動などの自社努力の結果を反映し、今回の値下げに踏み切った。
同社総務部の有賀優係長は、「生産効率の上昇や自社の太陽光発電の増加などの取り組みの結果、電力に起因するCO₂排出量が減少したことが明らかになった。微々たる金額ではあるが、減った分はお客様にお返しするべきと考え、価格を改めた」と経緯を語った。今後も太陽光発電などへの投資を継続していく方針も明かしており、今後も「(CO₂排出原単位)数字がまた変わってくれば、さらなる改定も踏まえて事業を進めていきたい」という。
(IRuniverse K.Kuribara)