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インドネシア産エビから放射性物質 米国でセシウム137検出、発がん性考慮し回収

2025/08/25 17:40
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 米水産物輸入のビーバー ・ストリート・フィッシャーズ (Beaver Street Fisheries 、本社:米フロリダ州)は8月22日、米食品医薬品局(FDA)ホームページ上で、「インドネシアから輸入された冷凍エビ製品のリコールを実施する」と発表した。放射性物質セシウム137が検出されたためで、FDAの声明に対応した。

 

リコール対象となった冷凍エビ

(出所:ビーバー ・ストリート・フィッシャーズの発表資料)

 

プレスリリース:Beaver Street Fisheries, LLC Recalls Great Value Frozen Raw Shrimp Because of Possible Health Risk | FDA

 

 FDAは8月19日、消費者に対し対象商品を購入しないよう呼びかけたうえで、輸入警告リストに追加したとの声明を発表していた。製品はインドネシアのエビ輸出業者バハリ・マクムル・セジャティ(BMS)が加工し、大手小売りチェーンのウォルマートで「グレートバリュー」のブランド名で販売されていた。

 冷凍エビ1キログラムあたりセシウム約68ベクレルが検出された。FDAが介入基準とする同1200ベクレルを大きく下回っていた。それでも、長期的な低線量被曝による発がんリスクや業者の施設の問題を考慮したという。

 

プレスリリース:FDA Advises Public Not to Eat, Sell, or Serve Certain Imported Frozen Shrimp from an Indonesian Firm | FDA

 

 セシウム137は核分裂によって生成される放射性同位元素で、半減期が30年と長く、東日本大震災から14年が経った現在でも汚染された魚や植物が見つかることがある。摂取すると発がん性などのリスクがあるとされる。今回、冷凍エビに混入した理由は現時点では不明だが、FDAは「不衛生な環境で調理、包装、保管されていたとみられる」とした。インドネシア側もこの件について調査を進めている。

 

(IR Universe Kure)

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