経済産業省は29日、2026年度予算における同省関連の概算要求を発表した。エネルギー対策特別会計は前年当初予算比20.0%増の1兆4551億円を計上。特にGX(グリーン・トランスフォーメーション)推進対策費を重視し、52.1%増の予算確保を目指す。一般会計と特別会計(エネルギー対策+特許)を併せた合計要求額は18.9%増の2兆444億円とした。
GX推進対策費は52.1%増の7671億円。水電解装置、浮体式洋上風力発電設備、ペロブスカイト太陽電池、燃料電池などの関連部素材や製造設備について、大規模な投資を補助する考えだ。GX の分野別投資戦略を踏まえ、省エネ、クリーン・エネルギーの拡大、購入補助などのGX 市場の創造を図る。26日にも官邸にて、15回目となるGX実行会議が行われており、年末の概算決定に向け、GX関係予算内容の具体化を進めていく。

金額の増減率でみるとGX推進対策費のなかでも、GXサプライチェーン構築支援事業(29.8%増、792億円)や、省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金(138.2%増、1810億円)などに重点が置かれていることが見て取れる。GXサプライチェーン構築支援事業の中には、ペロブスカイト太陽電池や燃料電池分野における企業の設備投資補助金なども含まれており、国内企業の技術レベルの向上が期待される。
GX関連以外のエネルギー分野では、横ばいの予算編成が多いものの、洋上風力発電の導入促進に向けた採算性分析のための基礎調査事業(31.9%増、120億円)や、地熱発電の資源量調査・理解促進事業(14.0%増、138億円)での増額達成に向け交渉を開始する計画だ。
29日に資源記者クラブで開かれた説明会に出席した資源エネルギー庁長官官房の荒井次郎総務課長補佐(特別会計)は、洋上風力予算の増額の理由として、日本の排他的経済水域(EEZ)内に洋上風力発電設備の設置を可能にする改正法が今年成立したことを挙げ、「EEZにおける洋上風力発電の展開の筋道が描けてきたため、調査対象区域を広げていくという観点から増額した」と説明した。
資源記者クラブで開かれた説明会に出席した荒井課長補佐
(IRuniverse)