
2025年9月9日、株式会社プロテリアルは、同社ならびに子会社で営む自動車鋳物事業(自動車鋳物事業および排ガス用セラミックフィルター事業、以下、「当該事業」)を米国の投資会社に譲渡することを決定したと発表。
1. 譲渡の背景・目的
同社の自動車鋳物事業は、1910 年に創業した前身である戸畑鋳物株式会社において自動車用鋳鉄製品の製造を開始して以来、100 年以上にわたり独自開発の材料と形状設計を提案することで、ユーザーのニーズに応えてきた。また、排ガス用セラミックフィルター事業については、2003年に製品を開発し市場投入して以来、商用車排出ガス規制に対応した製品の開発・提供により、環境負荷低減に貢献している。
現在、当該事業は研究開発組織として素材研究所を有するほか、製造拠点としては、日本、韓国、米国、インドに4つの鋳造工場および機械加工工場を擁し、グローバルに事業を展開している。当該事業を取り巻く経営環境は、モビリティニーズの多様化や低炭素化・脱炭素化の潮流加速により、年々、変化のスピードが増している。このような環境の変化に対応し、持続的な事業成長を実現するためには、これまで以上に当該事業における意思決定の迅速化や積極的な投資が不可欠であり、自動車関連企業の経営に関する多様な経験と豊富な投資資金をもつ新しいオーナーに当該事業を譲渡することが最良の選択であると判断したとの事である。
なお、本事業の譲渡後も、当該事業のグローバルな現経営体制および事業体制は引き継がれる。
また、譲渡の対象となる同社の子会社や拠点の運営体制および雇用も引き継がれる。新しいオーナーのもと、意思決定を迅速化するとともに、経営資源を効率的に配分・活用し、市場ニーズに対応する製品ポートフォリオを構築していく方針だ。これにより材料開発・形状設計・製造プロセスの各側面においてこれまで以上の価値を提供し、素形材産業を牽引する事業として持続的な成長を図っていく意気込みだ。
2. 対象となる拠点および子会社
同社拠点:真岡工場、素材研究所
同社子会社:株式会社九州テクノメタル、株式会社プロテリアルマシナリー、NamYang Metals Co., Ltd.、HNV Castings Private Limited、Effingham Machining & Assembly Components, Inc.
(IRuniverse Ryuji Ichimura)