2025年9月9日、豊田通商株式会社(以下:豊田通商)は、韓国LGグループのLG Chem Ltd. (以下:LG化学)と 浙江華友鈷業股份有限公司(以下:華友コバルト)の合弁会社であるLG-HY BCM Co., Ltd. (以下:LG-HY BCM社)の株式25%を取得する株式譲渡契約を、華友コバルトと締結したと発表した。
1.出資の背景
リチウムイオン電池は、電動車の普及に伴い、今後もさらなる需要の増加が見込まれている。特に、世界的な環境規制の強化を背景に、電動車市場は拡大しており、それに伴い電池の品質や性能だけでなく、安定した供給体制の構築もバッテリーメーカーにとって重要な課題となっている。
なかでも、電池の正極で使用される「正極活物質」※は、電池性能に大きな影響を与える重要な材料で、特に希少性が高いニッケル・マンガン・コバルトから構成されている「三元系正極活物質」の安定供給が今後の課題となっている。
2.出資の目的
LG-HY BCM社は、韓国で正極活物質を製造する会社であり、三元系正極活物質においては世界最高水準の製造技術を有しており、現在、韓国で年間66,000トンの生産能力を持つ工場を運営している。
豊田通商は、今回の出資によって、リチウムイオン電池の生産における最も重要な材料である正極活物質の製造事業に参画することで、競争力ある正極活物質のサプライチェーンを構築し、韓国で生産された正極活物質を、北米を中心とする電池メーカーへ安定的に供給する体制を整えていくとの事だ。
豊田通商は、電動車の普及に不可欠な車載用電池材料の安定供給に貢献するとともに、素材の調達から製造・供給までを一貫して支えるグローバルなサプライチェーンの構築を推進していくとしている。
※リチウムイオン電池の正極(プラス極)に使われる、電池の性能や寿命を左右する中核材料
LG-HY BCM概要
LG Chem概要
華友コバルト 概要
(IRuniverse Ryuji Ichimura)