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東京製鐵 2025年10月契約売出 形鋼やU形鋼矢板を5カ月ぶりに1万2000円値下げ

2025/09/16 16:42
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東京製鐵 2025年10月契約売出 形鋼やU形鋼矢板を5カ月ぶりに1万2000円値下げ

東京製鐵は16日、2025年10月契約の鋼材販売価格について、角形鋼管と溶融亜鉛めっきコイル以外の価格を値下げすると発表した。形鋼やU形鋼矢板は1万2000円、それら以外は3000円の値下げ。出直し価格として改定することで市況の底入れを図る。

 

生産予定については9月全体で23万5000トン(前月予定比から3万5000トン増)、H形鋼が8万トン(2万トン増)、ホットコイルは10万トン(5000トン増)[内、輸出は1万トン(5000トン増)]、厚板4万トン(5000t増)。

 

物件価格や在庫販売価格は前月から変更なし。H形鋼が10万2000円(建値+2円)、異形棒鋼が8万4000円(建値+2円)、厚板が9万7000円(建値と同額)。9月16日(火)午後より販売開始した。

 

 

東京製鐵の基調コメントの概要は以下の通り。

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海外マーケットは、鉄鋼関連製品を取り巻く環境は未だ不確実な情勢にあり、国際市場は、今なお様子見となっている。個別には、高関税賦課による保護主義を強めている米国においても、足元の鉄鋼指標は下落が続き停滞感が続いている。

 

また、中国も恒常的に不動産業界の不振と製造業関連の景況感は低迷し続けている中、依然、鉄鋼製品の過剰感は残る。然し、鉄鋼メーカーの採算悪化は避けられない状況になっていることから、安価是正に取り組む動きも出て来ており、今後、政府主導の鉄鋼減産による需給改善に向けた実効性に期待が寄せられる。引き続き、世界経済や貿易動向、中国における鉄鋼需給の変化について慎重に注視していく。

 

国内マーケットは、建設分野では、今後も電気、設備関連業者の繁忙が続く状況にあり、元請けである施工会社は選別受注に取り組んだ結果、足元でも建設関連の着工指数は低位なままにある。全国的に鋼材の荷動きは盛り上がりを欠き、市況は軟調に推移している。

 

しかしながら年末から年明けにかけ、新規案件の引き合いが着実に増加傾向にあり、また、市中在庫は低水準且つ歯抜けが散見される状況の為、進行中の再開発案件の本格化と物流施設を中心とした新規着工の増加に伴い、荷動きの回復が見込まれる。

 

 

鋼板品種は、製造業分野において、対米交渉の成り行きを見守る動きが台頭した結果、国内外市場は、人手不足も加わり、これまで様子見が続いていた。その為、全国的に鋼材の荷動きは迫力に欠け、市況は低迷が続いている。

 

また、輸入鋼材の動向も方向性が定まっていない状況にある。他方で、工作機械や産業機械の受注高は上向いていることからも、DX関連の設備投資は底堅く、自動車の対米関税も決着を見たことから、下期に向け、需要増に伴う需給バランスの改善が進むと期待される。

 

以上のような状況の下、鉄鋼メーカーの製造コストは高止まりが続き、非常に厳しい採算を強いられているが、今後の市況の底入れを図るべく、今月の販売価格は現状の品種毎のマーケットの実態に合わせ、見直しを行い、出直し価格として改定した。引き続き、需要に見合った生産を継続し、需給の調整に努める。

 

 

また、小松﨑裕司取締役常務執行役員営業本部長は基調コメントに補足する形で以下のように見解を示した。

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海外市場については、アメリカの関税政策を起因としたマーケットの混乱はおおむね収まってきたと感じている。今後は、主要国でのこれからの金融政策がどのような方向になるのか見極めていく必要がある。全般的には、鉄鋼関連製品市場は様子見気配。

 

中国のマーケットは8月以降、上昇基調だったが、10月に国慶節が控えていることもあり、その後の需給動向に注意していきたい。中国からの輸出量については8月に951万トンとなっており、以前として前年比を下回ってこない。販売できるものを販売できるところに出しているという印象を受ける。

 

国内はやはり在庫が低水準にあり、品種によっては歯抜けも散見される。一方、商況は下げ止まり感が出てきている。下期も需給がアンバランスとなる状況は想定していないが需要のもう一段の回復に期待したい。

 

なお、角形鋼管と溶融亜鉛めっきコイルについては、マーケットの実態と乖離していないと判断し、価格据え置きとした。

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2025年10月契約の品種別販売価格(O/T NET ベース価格、トン当たり円)は以下の通り。

 

H形鋼及び形鋼: 2025年5月契約で7カ月ぶりに3000円値下げし、今回の2025年10月契約でその時点から5カ月ぶりに1万2000円値下げ

H形鋼=10万円(2025年10月契約で1万2000円値下げ。)

縞H形鋼=11万円(2025年10月契約で1万2000円値下げ。)

I形鋼=10万1000円(2025年10月契約で1万2000円値下げ。)

溝形鋼=9万6000円(2025年10月契約で1万2000円値下げ。)

 

角形鋼管(コラム):2022年9月契約において5,000円値下げ後、2年連続で、価格据置としたが、2024年10月契約において、更に1万円の値下げ。

角形鋼管=11万8,000円(2024年10月契約にて1万円値下げ。)

 

U形鋼矢板:2025年5月契約で7カ月ぶりに3000円値下げし、今回の2025年10月契約でその時点から5カ月ぶりに1万2000円値下げ

U形鋼矢板=11万2000円(2025年10月契約にて1万2000円値下げ。)

 

異形棒鋼: 2025年4月契約で3000円の値下げし、今回の2025年10月契約で6カ月ぶりに3000円値下げ

異形棒鋼=8万2000円(2025年10月契約にて3000円値下げ)

 

厚板:2025年5月契約で7カ月ぶりに3000円値下げし、今回の2025年10月契約でその時点から5カ月ぶりに3000円値下げ。

厚板=9万7000円(2025年10月契約にて3000円値下げ。)

 

コイル類4品種:2025年4月契約で酸洗コイル5000円、他は3000円の値下げ。今回の2025年10月契約は溶融亜鉛めっきコイル以外で3000円値下げ

ホットコイル=8万6000円(2025年10月契約にて3000円値下げ)

縞コイル=8万9000円(2025年10月契約にて3000円値下げ)

酸洗コイル=9万2000円(2025年10月契約にて3000円値下げ)

溶融亜鉛めっきコイル=12万1000円(2025年4月契約にて3000円値下げ。)

 

以下カットシート類(2025年4月契約で3000円の値下げし、今回の2025年10月契約で6カ月ぶりに3000円値下げ)

熱延鋼板=9万1000円(2025年10月契約にて3000円値下げ)

縞鋼板=9万4000円(2025年10月契約にて3000円値下げ)

酸洗鋼板=10万1000円(2025年10月契約にて3000円値下げ)

 

[申込締切日:2025年9月18日(木)12時まで]

 

 

(IRuniverse K.Kuribara)

 

 

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