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米ウクライナ、共同基金に220億円拠出 レアアースなど巡る鉱物協定、実現に一歩

2025/09/18 12:31
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米ウクライナ、共同基金に220億円拠出 レアアースなど巡る鉱物協定、実現に一歩

 米国際開発金融公社(U.S. International Development Finance Corporation、DFC)は9月17日、ホームページ上で、「ウクライナ復興に向けた投資基金に、ウクライナ政府と共同で計1億5千万ドル(約220億円)を拠出する」と発表した。米国とウクライナは4月、レアアース取引を含む鉱物協定を締結した。協定内容の実現に向け一歩踏み出したことになる。

 

■7500万ドルずつそれぞれ拠出

 

プレスリリース: DFC Kickstarts US-Ukraine Reconstruction Investment Fund with $75 Million Seed Capital Equity Investment | DFC

 

 DFCとウクライナ政府がそれぞれ7500万ドルずつ拠出する。基金はウクライナの復興と長期的な経済回復を支援するとともに、米国の天然資源サプライチェーンを強化し、米国の経済成長、安全保障、イノベーションを促進することが目的。ウクライナのオレクシー・ソボレフ経済・環境・農業大臣は発表資料中で基金の使途の詳細について「重要インフラを再建し、新興技術を拡大し、責任を持って天然資源を開発するプロジェクトに資金を提供する」と説明した。基金の設立については4月の両国の協定締結時に合意があった。

 

関連記事:米ウクライナ、資源協定を締結 復興基金を共同設立、米財務省が発表

 

■米側、チタンやジルコニウム鉱床を視察

 ロイター通信の9月17日の報道によると、DFCは9月に入り、ウクライナに代表団を派遣し、投資候補の案件を調査した。代表団はウクライナ中部キロボフラード州のチタンやジルコニウム鉱石の鉱床がある地点を視察したという。また、天然ガス関連プロジェクトに特に関心を持っているとも伝わった。天然ガス事業の方が鉱物関連よりも迅速に結果を出しやすいという。

 4月の協定、ではウクライナの天然資源事業で得られた収益の50%をこの基金に充当し、ウクライナ国内の新規事業への投資に活用するとしていた。米国が鉱物や石油・天然ガスなどの資源取得を希望する場合、優先権が与えられるとも取り決めがあった。トランプ米大統領はウクライナとの合意も背景にウクライナを軍事的に支援するが、一方で同氏が目指す停戦は先が見えず、手詰まり感も漂う。

 

(ヘッド写真出所:DFCホームページ)

(IR Universe Kure)

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