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マテリサグループに創業250年の紅久が参画、新時代の企業連合発足

2025/09/30 09:30 FREE
マテリサグループに創業250年の紅久が参画、新時代の企業連合発足

事業承継問題の解決と鉄鋼業の未来を支えるマテリサグループの設立
 

 金属リサイクル業者を中心としたM&Aによるグループ経営を行う株式会社マテリサグループ(本社:東京都中央区、代表取締役:谷口善洋)が2025年9月1日に発足し、9月29日、グループ企業1社目として創業250年の歴史を持つ株式会社紅久(本社:愛知県豊橋市、代表取締役社長:三浦 裕司)がグループに参画したと発表した。
 

 株式会社企業支援総合研究所(本社:東京都中央区、代表パートナー:前田拓、以下「CSRI」)のサポートの下で設立されたマテリサグループは、業界が抱える事業承継問題や、鉄鋼業の脱炭素化という課題に対し、各社の独立性を最大限尊重する「企業連合」という新たなモデルで挑み、国内最大級の鉄スクラップ取扱量を誇る企業体を目指している。

 

 ■ 背景:2030年に500万トン不足。事業承継と脱炭素が迫る鉄リサイクル業界の構造的課題 

 日本の鉄鋼業は、カーボンニュートラル達成の切り札として、鉄スクラップを原料とする電炉鋼へのシフトを加速させている。これにより鉄スクラップの国内需要は増大し、2030年頃には年間500万トンもの鉄スクラップが不足するとも予測されていル[1]。

 この供給を支える鉄リサイクル業界は、全国に1,000社近い事業者が存在する一方、その多くは中小企業であることから、後継者不在などの事業承継問題に直面しており、地域の資源循環を支えるインフラの維持が大きな課題となっている。
 

[1] 出所: 日鉄総研株式会社「令和3年度産業経済研究委託事業カーボンニュートラルを踏まえた我が国金属産業の持続的発展に向けた調査事業」
 

 ■ 新たな挑戦:独立性を尊重する「企業連合」による業界再編とマテリサグループの設立 

 こうした課題に対し、大手事業会社による垂直統合やファンドによる短期的な経営参画とは一線を画す「第三の選択肢」を提示するのが、マテリサグループ。同社私は参画企業の独立経営を維持し、各社の歴史、ブランド、そして企業文化を最大限尊重。各社は上下関係のない「兄弟会社」として対等なパートナーシップを結び 、マテリサグループは経営技術、デジタル/AI活用のノウハウ、ネットワーク等を提供することで、グループ全体の成長を支援するプラットフォームとして機能する。
 

 ■ 1社目のパートナー:創業250年の紅久が「第3の創業」として下した決断 

 この構想の1社目のパートナーとなったのが、1775年(安永4年)創業の紅久だ。無借金経営を続ける東三河の優良企業として尊敬を集める同社もまた、歴史的な転換期の中で、同族経営の枠組みを超えた経営の近代化による成長の必要性を感じていたという。一方、地域に根差した中小企業ならではの良さや現場のやりがいとの間で葛藤を抱える中 、マテリサグループの企業連合構想に出会う。

 紅久の経営陣は、新たな企業連合構想に「これこそ我々が描いていたあるべき姿だ」と深く共鳴。自社が業界再編の旗振り役としてグループの上に立つのではなく、資源循環を支える地域経済の礎として研鑽し合ってきた同業の仲間たちと対等な立場で未来を築いていく理想の形である、と今回の参画を決断されたという。これは、250年の歴史を持つ紅久にとって「第3の創業」とも言える大きな決断だった。

 

図 マテリサグループの構想概要

 

 ■ 今後の展望:鉄鋼業のサプライチェーンの強靭化へ。 

 マテリサグループは、今後数年をかけて、同社の構想に共鳴する多くの企業にグループへ参画することを呼びかけ、大規模かつ高品質の鉄スクラップ取扱体制を構築することを目指す。私たちはこれを「鉄鋼業のサプライチェーンの強靭化」と位置づけ、以下の価値を鉄鋼業界ならびに日本社会に提供する。

- 量的貢献: 需給ギャップに対応し、鉄鋼メーカーへの原材料の安定供給を実現する。

- 質的貢献: 電炉による高級鋼製造という技術革新に挑む鉄鋼業の高度な品質要求に応える。

- 経営基盤: 構想を実現するため、グループ全体で経営の近代化を推進する。

 

【株式会社マテリサグループ 代表取締役 谷口善洋 コメント】 

 日本の資源循環、地域経済を支えてきた皆様が長い歴史の中で築き上げ、守ってきた礎を尊重しながら、事業承継、人材採用やデジタル化といった経営課題に共に立ち向かう同志として、信頼しあい、補完し合えるパートナーになりたいと思います。紅久様をはじめ、この業界の魅力的な企業の皆様と共に、新しい資源循環のあり方を定義する企業連合の形を共に創り上げていきます。
 

【株式会社紅久 代表取締役社長 三浦 裕司 コメント】 

 紅久は本年、紅花商を営んでいた江戸時代を含めると、創業250 周年という節目の年を迎えました。これまでの会社の最大の転機は、1902 年に8代目の当主、三浦多吉が、当時の社会情勢、経済情勢の変化を見極め、金属リサイクル業に大きく業種を転換したことにあります。この時の機敏な英断と、その後の経営努力により、現在の紅久の繁栄があります。2025 年現在、紅久を取り巻く世界を見渡すと、新型コロナウイルスの地球規模での流行、ウクライナ戦争、保護主義経済の進行、気候変動、テクノロジーの急速な発展、日本国内における急速な人口減少など、歴史的な転換期に差し掛かっています。このような目まぐるしい外部環境の変化の中で、更なる成長発展を遂げるためには、ファミリービジネスの枠組みを超えた新たな変革が必要であるとの結論に達しました。このたびは、そのための最良のパートナーに出会うことができ、今後さらなるやりがいをもって、企業経営に取り組むことができることを思うと、楽しみでしかありません。

 

(IR universe rr)

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