IRuniverseが主催する「第6回サーキュラーシンポジウム in NAGOYA」(2025年11月25日開催)に向け、MIRU取材チームは9月30日、名古屋市内の各企業を訪問。各社が進めるサーキュラーエコノミー関連の取り組みを取材するとともに、同シンポジウムへの登壇や参加を呼びかけた。取材の締めくくりとして経済産業省中部経済産業局を訪問し、シンポジウムの趣旨説明を行うとともに、プラスチックリサイクルやリチウムイオンバッテリー回収に関する法改正の動向について意見を伺った。
2025年、IRuniverseは6月に「自動車リサイクルサミット」、9月に「バッテリーサミット」を東京で開催した。両サミットでは国内外の業界代表者が登壇し、質疑応答を交えながら活発な議論が展開された。11月に開催するサーキュラーシンポジウムでは、自動車、重工業、電機、鉄道、工作機械など多様な製造業が集積する名古屋を舞台に、業界横断的な議論と連携を一層深めることを目指している。
現在、経済産業省では総合資源エネルギー調査会の資源・燃料分科会やカーボンマネジメント小委員会、産業構造審議会の環境・リサイクル・排出取引制度などの審議会・ワーキンググループが精力的に活動している。低炭素化やカーボンニュートラルに向けた行動計画のフォローアップも進められており、施策の議論が日々更新されている状況だ。そのため、情報発信のタイミングが難しい面もあるという。資源循環の分野は経済産業省の関与が大きく、同省としても国内フォーラムでの発表は貴重な機会であるが、現時点では第6回シンポジウムへの登壇はタイミングの関係で難しい状況にあるとのことだ。
サーキュラーエコノミーの推進においては、経済産業省のみならず環境省も重要な役割を担っている。環境省は「使用済み太陽光パネルのリサイクル義務化」法案の制度設計を見直す方針を示しており、地方自治体を集めたフォーラムの開催も予定している。省庁としては資源循環を経済的にどうインセンティブ化し、持続可能なビジネスとして成立させるかを課題として認識しており、民間企業と連携しながら自由闊達な議論を進めていきたい考えとのことだ。中部経済産業局としては現時点で発表可能な情報は限られており、今は自動車のサーキュラーエコノミーを中心に局員が鋭意知見を深めている段階にあるという。
2025年4月に開催された「第5回サーキュラーシンポジウム in NAGOYA」において、中部経済産業局は「経済産業省におけるサーキュラーエコノミー関連施策の動向と中部地域の特徴を活かした取取り組みを紹介し、好評を博した。今後もこのようなフォーラムに参加したい意向を示しているが、有料イベントへの行政参加には一定の制約があるため、慎重な調整が必要とされる。
また、欧州では廃車由来の廃プラスチックをリサイクルした部品の使用を義務付ける規制がすでに施行されており、日本においても対応が求められている。廃棄物回収、とりわけリチウムイオンバッテリーの回収は環境省の所管であり、現場では物理的な収集・処理体制の整備が進んでいる。いわゆる「静脈産業」の多くは環境省の関与のもとで運営されており、今後は経済性と環境性を両立させた仕組みづくりが一層求められるだろう。

名古屋取材ツアーの締めくくりとして、弊社・棚町主導のもと地元リサイクラーを招いた懇親会を開催。11月25日に開催されるサーキュラーシンポジウムの成功に向けた意気込みを共有し、地域との連携をより強固なものとした。
今回の取材を通じ、名古屋の産業界がサーキュラーエコノミーに向けて着実に歩みを進めていることを実感した。行政・企業・地域が一体となり、次代の資源循環モデルを形づくる議論の場として、11月のシンポジウムが新たな一歩を示すことを期待したい。
(IRuniverse Midori Fushimi)