中国国家統計局が10月20日に発表した中国の2025年7-9月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比4.8%成長だった。成長率は4-6月期(5.2%)から減速し、2024年7-9月期以来1年ぶりの低い成長率となった。不動産開発投資の減少率が14%に迫る大きさに拡大したうえ、これまで政府主導のインフラ投資などが支えてきた固定資産投資もマイナスに転じた。
2025年の中国の主な経済指標
注)単位は新規融資以外は前年同期比増減で%、新規融資は元。GDPは四半期。不動産開発投資と固定資産投資は年初からの累計。▲はマイナス。
(中国国家統計局、中国海関、中国汽車工業協会、中国人民銀行などの発表をもとにIR Universeが作成)
上半期に政府の自動車や家電の買い替え支援などが支えてきた消費が息切れした。小売売上高は9月単月で前年同月比3%増と2024年11月以来の低い伸びとなった。消費者物価指数(CPI)も2か月連続のマイナスで、デフレ経済の色が濃い。サービス業の景況感指数も好不況の境目となる50ぎりぎりとなった。
製造業は一部で改善したデータもある。輸出入が東南アジア向けを中心に好調で、新車販売も輸出も支えに堅調だった。卸売物価指数(PPI)の下落率も改善を続ける。銀行融資も持ち直した。ただ、貿易は米中対立の激化に伴う関税や輸出規制の不安が付きまとい、楽観ムードは乏しい。製造業の景況感指数は6カ月連続で50を下回った。
中国政府は10月20日から重要会議の「四中全会(第20期中央委員会第4回全体会議)」を始める。中期的な経済政策が話し合われるとみられるが、不動産市況の回復が見込めず、状況はかなり厳しい。投資と消費が落ち込みを続ける中で余った物品が海外に流れ出るようなことになれば、鉄鋼で見られたような価格への影響を、世界各地で引き起こす恐れもある。
(IR Universe Kure)