ユニチカ株式会社(本社:大阪市中央区 社長:藤井実)は、10月27日、アンチモン系材料を使用しないハロゲン系難燃ナイロン樹脂(以下、「アンチモンフリー難燃ナイロン樹脂」)の開発に成功したと発表した。「アンチモンフリー難燃ナイロン樹脂」は、価格が高騰するアンチモン系材料を使用せず、従来のハロゲン系難燃ナイロン樹脂より安価かつ、同等の機械物性、難燃性の維持を実現している。
1. 開発の背景について
従来、自動車分野や、電気・電子分野で大量に使用されているハロゲン系難燃ナイロン樹脂には、アンチモン系材料が用いられていた。しかしながら、最近の中国の輸出規制を発端とした、金属アンチモン価格の高騰に連動し、従来のハロゲン系難燃ナイロン樹脂の価格も高騰しており、市場では、価格が安定したハロゲン系難燃ナイロン樹脂への要望が高まっていた。
2.「アンチモンフリー難燃ナイロン樹脂」の開発
「アンチモンフリー難燃ナイロン樹脂」は、同社の組成設計技術、生産技術により開発に成功。従来のハロゲン系難燃ナイロン樹脂と比較して、価格が安価にもかかわらず、同等の機械物性、難燃性を維持している。また、従来品よりも優れた耐トラッキング性を有することを発見し、コネクター等において新たな価値をご提供可能だ(表 1、図 1)。さらに、「アンチモンフリー難燃ナイロン樹脂」は、ノンハロゲン系難燃ナイロン樹脂と比較して、生産設備への低腐食性、高い靭性、低吸水性、成形時の発生ガス低減など、多面的な性能優位性を有している。

3.今後の展開について
今回開発した 「アンチモンフリー難燃ナイロン樹脂」は、従来のアンチモンを使用したハロゲン系難燃ナイロン樹脂と同性能であるのに加えて、価格優位性、耐トラッキング性に優れていることから、自動車分野、電気・電子分野への展開が期待できる。同社は各分野への販売展開を図り、3 年後に年間 10 億円の売り上げを目指す。
4.出展情報
この成果は、以下の展示会において展示される。
展 示 会 名 : 名古屋オートモーティブワールド 2025/カーエレクトロニクス技術展
開 催 日 : 2025 年 10 月 29 日~31 日
場 所 : ポートメッセなごや
出展ブース : N12-32
(IR universe rr)