2025年10月31日、一般社団法人日本鉄鋼連盟が、2025年9月の鉄鋼輸出入概況を発表した。
2025年9月の鉄鋼輸出実績(全鉄鋼ベース)は250万750トン(前月8月246万4,720トン)、前年同月(262万7,320トン)比で4.8 %減と6か月連続の減少となった。
2025年度上期(4月~9月累計)の全鉄鋼ベースの輸出量は1,508万8,345トンと前年同期(1,606万4,743トン)比6.1 %減となり、2020年度上期(1,533万7,177トン)をも、下回った。
<全鉄鋼ベース:主要向け先別推移 >
中国の過剰輸出に伴い、各国での通商措置が広がり、日本も主要向け先の韓国、インド、欧州、トルコなどの複数の国で影響が出ている。
2025年9月の全鉄鋼ベース輸出において、前年同月比では、インドは前年同月並みの22万711トンとなったものの、韓国向け2.6 %減の32万8,706トン、欧州は41.2 %減の8万1,498トン、トルコは27.4%減の4,273トンとなった。
全鉄鋼ベースの主要向け先別では、
タイ[36万7,706トン、前年同月(44 万3,162トン)比17.0 %減]が2か月連続、
韓国[32万8,706トン、前年同月(33万7,483トン)比2.6 %減]が9か月連続、
台湾[13万4,248トン、同(14万7,980トン)比9.3 %減] が3 か月連続、
米国[9万3,381トン、同(14万6,788トン)比36.4 %減] が3か月ぶり、
の減少となった。
一方、
中国[18万1,242トン、同(17万9,979トン)0.7 %増]が2か月連続、
中南米[32万5,929トン、同(30万8,335トン)比5.7 %増]が2か月連続
の増加となった。
図1に全鉄鋼ベース向け先別輸出量推移を示す。年度、暦年及び四半期推移は、月換算で示している。

図1 全鉄鋼ベース向け先別輸出推移(月率換算)
前年同月比で、増加したその他の向け先国は、マレーシア、パキスタン、中東、コロンビア、アフリカ等であった。
鉄鋼需給の動き(2025年10月)表13 国別品種別輸出推移[全鉄鋼計]・普通鋼鋼材[品種別] を示す。表中、2025年度第2四半期(7月~9月)及び9月は速報値である。

<普通鋼鋼材:品種別>
2025年9月の普通鋼鋼材輸出量は172万419トン(前月8月174万2,187トン)、前年同月(181万4,045トン)比で5.2 %減と6か月連続の減少となった。
主要品種別では、
熱延広幅帯鋼[89万3,544トン、同(95万9,256トン)比6.1 %減]が5か月連続、
厚板 [22万3,341トン、同(20万6,189トン)比8.3 %減]が3か月連続、
冷延広幅帯鋼(11万2,607トン、同(12万461トン)比20.9 %減)が4か月連続
の減少となった。
一方、
亜鉛めっき鋼板[17万1,897トン、同(17万2,755トン)比1.6 %増]が2か月ぶり
の増加となった。
図2に普通鋼鋼材 主要品種別輸出量推移を示す。年度、暦年及び四半期推移は、月換算で示している。

図2 普通鋼鋼材 主要品種別輸出推移(月率換算)
<普通鋼鋼材:向け先別>
普通鋼鋼材輸出量の向け先別では、
タイ[20万8,267トン(前月8月21万364トン)、前年同月(24万8,460トン)比6.2 %減]、
韓国[20万2,842トン(同17万5,853トン)、前年同月(23万282トン)比11.9 %減]、
台湾[6万5,257トン(同6万7,346トン)、前年同月(8万2,977トン)比21.4 %減]、及び、
米国[2万3,253トン(同1万6,421トン)、前年同月(6万5,049トン)比64.3 %減] が減少となった。
一方、
中国[11万4,869トン(同11万9,521トン)、前年同月(11万3,079トン)1.6 %増]
が増加した。
<全鉄鋼ベース、銑鉄、フェロアロイ、半製品及び普通鋼鋼材 輸出量推移 図3>
2025年9月の鉄鋼輸出実績(全鉄鋼ベース)は250万750トン(前月8月246万4,720トン)、前年同月(262万7,320トン)比で4.8 %減と6か月連続の減少となった。
・銑鉄の輸出量は8,868トン(前月8月1万1,971トン)となり前月比では減少したが、前年同月(4,044トン)比では2.2倍と3か月ぶりで増加した。
・フェロアロイの輸出量は1,212トン(前月8月1,396トン)となり、前年同月(1,321トン)比で8.3 %減と2か月ぶりの減少となった。
・半製品の輸出量は22万649トン(前月8月18万8,504トン)となり、前年同月(22万4,774トン)比では1.8 %減と2か月連続で減少した。
・普通鋼鋼材輸出量は172万419トン(前月8月174万2,187トン)となり、前年同月(181万4,045トン)比では5.2 %減と6か月連続の減少となった。
図3に全鉄鋼ベース、銑鉄、フェロアロイ、半製品及び普通鋼鋼材の月別輸出実績推移を、年度、暦年及び四半期別推移の月換算値とともに示す。
2025年は、全鉄鋼ベース254万トン、銑鉄1.4万トン、フェロアロイ1180トン、半製品は24万トン及び普通鋼は175万トン前後で推移している。

図3 全鉄鋼ベース、銑鉄、フェロアロイ、半製品及び普通鋼鋼材の月別輸出実績推移 (年度、暦年、及び四半期推移は月率換算)
2016年度~2025年9月
表1に鉄鋼輸出入実績概況(2025年9月分)輸出、仕向国:世界計を示す。
表1鉄鋼輸出入実績概況(2025年9月分)輸出、仕向国:世界計

黄色マーカー:前月比及び前年同月比で共に増加した品種
[普通鋼鋼材(鋼矢板、形鋼、棒鋼、中板、冷延鋼板、電気鋼板、その他表面処理鋼板)、ステンレス鋼]。
年初からの累計(2025年1月~9月累計)及び年度初からの累計(年度上半期2025年4月~9月累計)で共に増加した品種
[銑鉄、普通鋼鋼材(鋼矢板、線材、みがき帯鋼、電気鋼板、ブリキ、その他表面処理鋼板及び継目無鋼管)、ステンレス鋼]。
一般社団法人日本鉄鋼連盟による鉄鋼需給の動き(2025年10月)表12(鉄鋼輸出総括)によると、8 月(実績)の輸出平均単価は、全鉄鋼ベースで 931.4ドル(8月速報値:935.4 ドル)と 2か月連続で減少した。9月(速報)は、966.2ドルと上昇する見込み。

上記表により、2025暦年1月~9月累計を求め、2025暦年換算を算出してみると、 2025暦年1月~9月の鉄鋼輸出実績(全鉄鋼ベース)は2,286.1万トンとなり、暦年換算では3,048万トンと、2024暦年(3,177.1万トン)を下回る見通しとなった。
暦年1月~9月累計の金額(円ベース)では、3兆2,094億円となった。

図4 総合計、半製品及び熱延広幅帯鋼の輸出量及び金額(億円)の暦年推移との比較
(一般社団法人 日本鉄鋼連盟 鉄鋼統計要覧及び鉄鋼需給の動きより)
図31に全鉄鋼輸出・平均単価推移を示す。下図は2025年9月の速報値を示している。 10月31日の発表で、実績値250万75トンとなった。

鉄鋼連盟が公表している鉄鋼需給の動き(2025年10月)図30(普通鋼鋼材品種別輸出推移)を下記に示す。

(IRUNIVERSE tetsukoFY)