11月7日13時、東邦チタニウムは26/3期2Q決算を発表し、業績見通しを修正した。後日開催予定の説明会後に改めて報告する予定。
<26/3期2Q実績>
〇環境
同社グループを取り巻く事業環境は、金属チタン事業の航空機向け需要については、航空機エンジンのMRO向け(メンテナンス・リペア・オーバーホール)は堅調に推移しているものの、米国の大手航空機メーカーであるボーイング社における諸トラブルに起因したサプライチェーン上の在庫調整が当初想定より長引いている。また、中国における経済停滞等の影響がおおむね底を打ち、化学品事業においては通信、車載、産業機器等の需要の回復が継続した。一方、金属チタン事業については中国メーカーが一般産業用途向けのスポンジチタンを過剰生産しており、また、触媒事業についてもポリオレフィン製造設備新設によって生産能力が過剰な状況が継続。他方、コスト面では、輸入原材料価格や電力価格はピークアウトしたものの依然として高い水準を維持している。
〇実績
売上高410億円(前年同期比6.2%減)、営業利益13.2億円(同49.5%減)、経常利益11.8億円(同30.7%減)、当期利益6.9億円(同38.2%減)となった。
なお、計画対比で売上高がショートしたものの、各利益は計画を上回って着地した。特に経常利益以下で大きく上振れしたのは為替の円安影響によるもの。
当期より、棚卸資産の評価方法について変更を行っており、前期及び前年度については、遡及適用後の数値で比較分析を行っている。
同社における、商品及び製品、原材料、仕掛品の評価方法は、従来、先入先出法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法)としていたが、当2Qから、移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法)に変更。調達手段の多様化、新工場建設による生産能力の増強といった同社の生産活動の変更及び為替・金属価格等の市場環境の変化等に対応し、在庫管理システム変更を契機として、棚卸資産の払出しの実態をより適切に反映させることを目的とした。
遡及適用により前年度における貸借対照表は、仕掛品が0.3億円増加し、原材料及び貯蔵品が0.1億円減少し、繰延税金資産が若干減少し、利益剰余金が0.1億円増加。また、前2Qの中間損益計算書は、売上原価が2.1億円減少し、営業利益、経常利益及び税前益がそれぞれ同額増加し、当期利益が1.4億円増加。また、前年度の期首の純資産に累積的影響額が反映されたことにより、利益剰余金の前年度末残高は5.1億円減少している。
<主要セグメント>
〇金属チタン事業
米国の大手航空機メーカーであるボーイング社における諸トラブルに起因したサプライチェーン上の調整が当初想定より長引いた影響を受け、航空機向け輸出スポンジチタンの販売は前年同期比で減少した。一般産業用途向けの販売についても、中国メーカーによる過剰生産の影響を受け、前年同期を下回る結果となった。一方、半導体向け高純度チタンは堅調に推移し、前年同期を上回る水準となった。
収益面については、為替変動や市況に連動した価格調整などが影響し、同期間の金属チタン事業は、売上高271億円(同17.3%減)、営業利益16.1億円(同52.0%減)となった。
〇触媒事業
中国でのポリプロピレンの過剰生産による輸出量の増加影響を受けて依然として触媒需要の回復が遅れている同社顧客はあるが、触媒市場全体としての需要の回復傾向を受け、前年同期を上回る水準となった。
その結果、同期間の触媒事業は、売上高59億円(同24.8%増)、営業利益13.7億円(同38.8%増)となった。
〇化学品事業
主要製品である超微粉ニッケルにおいて、主な用途である積層セラミックコンデンサ(MLCC)の中国における経済停滞等の影響がおおむね底を打ち、依然として流通在庫調整の影響は残っているものの需要自体は各分野で回復基調にあり、販売量は前年同期を上回る水準となった。
その結果、同期間の化学品事業は、売上高79億円(同28.8%増)、営業損失▲4.8億円(前年同期▲8.1億円)となった。
図表1、セグメント別実績(百万円)

出所:会社発表資料よりIRU作成
<26/3期見通し>
金属チタン事業の航空機向けスポンジチタンにおいて、サプライチェーン上の在庫調整が長引いていることや、化学品事業の積層セラミックコンデンサ(MLCC)向け超微粉ニッケルの需要は回復しているものの、その程度は当初想定より緩やかであることから、前回公表値に対して減収になる見込み。一方、営業利益、経常利益及び当期利益は、上記販売量減が減益要因となるものの、為替の円安(10 月~3 月想定は 150 円/ドル)等により、前回公表値並みとなる見通し。
図表2、26/3期の上期実績と通期見通し(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成
<参考>
同社は今期セグメント変更を行っているため、過去の実績につては一部遡って修正していないたえm四半期別の業績推移は割愛する。なお、足下で触媒事業の利益率が安定しているが、かつての利益水準よりは低い。化学品事業もニッケル粉の低迷が続いていることから、水面下だが、早急な回復が待たれる。金属チタンの利益率はおおむね安定しているが、再投資(能力増強)となるともう一段上の利益率が必要といえよう。2000年前半の設備投資では20%以上の利益率を出していたのだから。
(IRuniverse 井上 康)