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次の灯社 ディーゼル微粒子フィルター再資源化でCO₂削減45%

2025/11/07 14:44 FREE
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次の灯社 ディーゼル微粒子フィルター再資源化でCO₂削減45%

──岡山の環境ベンチャー「次の灯」が挑む“循環産業の再設計”

廃棄を資源へ。現場から変える、環境×産業×雇用の新しい循環モデル
 廃棄されてきたディーゼル排気を“資源”として再生する取り組みが、地方から広がっている。岡山発の環境ベンチャー「次の灯株式会社」は、11月6日、創業以来8年間にわたりリビルト技術の社会実装を進め、CO₂排出量を最大45%削減する成果を確立したと発表した。

 同社は、ディーゼル車の排気を浄化する装置「DPF(ディーゼル微粒子フィルター)」を再資源化し、廃棄部品を再び流通可能な製品として蘇らせる“循環型リビルトシステム”を構築。これまで使い捨てられてきた部品を「資源」として再び経済の輪に戻すことで、環境負荷の低減と産業効率の向上を両立させている。

 この取り組みは、環境分野だけでなく整備・物流・製造といった現場産業全体の生産性にも波及しており、地方での雇用創出にも貢献している。「技術で終わらせず、仕組みを変える」──そんな発想が、今、地方の現場から社会を動かし始めている。

モノの再生から「仕組みの再生」へ
 同社の取り組みは単なる技術革新に留まらない。廃棄や使い捨てを前提とした産業構造を見直し、再資源化・物流・人材育成を組み合わせた地域発の循環産業モデルを実装している。

 これは、環境・雇用・教育・地域経済を一体で循環させる“仕組みの再生”とも言える。特に近年は、自治体や大学との連携を通じて、地域循環圏の構築やカーボンニュートラル政策との整合を進めている。

 企業単体の成果ではなく、「地域を単位とした社会実験」として機能しており、国の掲げるグリーントランスフォーメーション(GX)推進や地域脱炭素ロードマップとも高い親和性を持つ。こうした実践は、“地方から始まる環境産業政策モデル”として、国・行政・研究機関からの注目も高まっている。
現場起点の課題発見から生まれた事業
 現在、同社は自動車部品のリビルト事業を中核に、燃料添加剤販売、整備士派遣、EVバッテリー再資源化など、環境と人の双方を循環させる多角的事業展開を進めている。地方発の中小企業が、産業構造の上流から循環を再設計するこの取り組みは、地域経済の自立・雇用創出・脱炭素社会の実現に資する公共的価値の高いモデルである。

今後の展望、循環型テクノロジーの世界展開へ
 同社は現在、東南アジア・欧州市場でのテスト販売を開始。ハイブリッドバッテリーや触媒、レアメタル再生技術への応用も進めている。さらに、CO₂排出削減効果を可視化する独自の「CO₂スコアリングシステム」を2026年にリリース予定。
岡山から世界へ、“循環型テクノロジー”の社会実装を加速させていく。


(IR universe rr)

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