中川社長
阪和興業は7日、2026年3月期中間期の決算短信を発表した。リサイクルメタル事業や海外販売子会社で取引が拡大した結果、売上高は前年同期比1.6%増の1兆2791億4100万円となった。営業利益は4.0%減の277億1700万円で、経常利益は15.2%減の238億5600万円。親会社株主に帰属する純利益は17.2%減の167億3400万円。中川社長は同日に東京本社で開催された決算説明会で、「営業利益は外部環境が悪い中、社員の頑張りでそこそこの数字となったが、持分法で取り込んでいる会社の中で一時的な損が生じたなど想定外のマイナス要因が出た」と述べ、経常利益が2桁減での折り返しとなった理由を説明した。
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また、「各セグメントでも(業績の)凸凹があり、中間期では通期目標の50%に届かない状況ではあるが、下半期は海外含めて、外部環境が悪い中でも努力し、経常利益550億円の達成を目指す」と展望を語った。
鉄鋼事業については篠山陽一専務が説明を担当。「国内が縮小している分を海外で補完している状況」と事業全体を総括した。鉄鋼の取扱量としては、2025年の上期は707万トンとなっており、前年同期を63万トン上回る結果となった。うち、海外での取扱量は日本からの輸出分も含めて322万トンで、前年同期の76万トン増。取扱量の実績で見ても篠山専務が示したように、国内のマイナス分を上回るペースで取引されていることがわかる。
篠山専務
海外市場においてはASEANを中心に需要、販売量が増加しており、海外ビジネスに限定すれば、業績は「大きくプラスに転じている」という。品種別にみると、鋼板関係や線材・特殊鋼・ステンレス、原料カテゴリにおいては海外での取扱量が国内分を上回っている状況だ。
一方、国内市場のカギとなる建築需要については、「人手不足や働き方改革の厳格化のほか、材料価格、労務・物流コストの上昇もあり、なかなか需要増加は期待できない状況にある」と懸念を示した。今年度の新設の住宅着工についても75万戸を下回るペースで推移していることからも厳しい環境が続きそうだ。
白澤常務
続いて説明を行った白澤省二常務は、プライマリーメタル事業について触れ、「メインとなるニッケル関係は、世間で言われているEVへの転換の遅れはあるが、EV用電池向けのニッケルの販売はしっかりしている」などと述べ、需要が堅調であることを強調した。リサイクルメタル事業もアルミや銅の採算が悪化してはいるが、貴金属やPGMでは欧州での集荷が依然としてハイレベルで推移しており、当面は堅調維持できると見解を述べた。

事業セグメント別経常利益の進捗状況(同社決算資料から引用)
(IRuniverse K.Kuribara)