11月10日18時、丸一鋼管は同日15時半に発表した26/3期2Q決算を受けて決算説明会を開催した。説明に使われた資料はこちら。

<決算ハイライト>
〇26/3期上期実績(資料3ページ)
業利益は、米国の回復が寄与し、前年同期比で18.6%の増益となった。計画比では、北米が8.2億円上振れしたものの、国内が11億円の未達、アジアも若干の未達となり、全体でも若干の未達となった。
一方で、経常利益、当期利益は上振れして着地。丸一鋼管単体営業利益は、販売数量が前年同期比で2.1%減少するも、スプレッドの改善により6.0%の増益で着地。
〇25年度通期計画
今回、26/3期の通期計画を修正。売上高、営業利益ともに計画比では下方修正となるが、営業利益は、前年度実績比で95億円プラスを予想。当期利益は計画より12億円の減額修正となるが、配当額は前回公表額を維持。これにより、配当性向は45.7%となる。
図表1、26/3期の上期実績と通期見通し(百億円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成
<26/3期2Q実績>
〇2Q実績(同5ページ)
売上高1,205億円、前年同期比9.7%の減収、計画比で5.3%の下振れとなった。営業利益は154億円、同18.6%の増益、計画比では1.8%の下振れとなった。経常利益は166億円。13.8%の増益計画に対しては0.5%の上振れとなった。当期利益は106億円。45.1%の増益、計画比比でも4.8%の上振れとなった。なお、為替換算レートは1ドル148円60銭。
〇セグメント別(同6ページ)
日本セグメントは、上期実績99億円、同2.7%の減益、計画比では10%の下振れとなった。販売数量が減少したものの、スプレッドの上昇により増益を確保したものの、丸一ステンレス鋼管が大幅な減益となった。
北米セグメント、33億円、同32倍の営業利益となった。計画比でも32.4%上振れした。北米4社の回復により、大幅に増益となった。
アジアセグメント、18億円、同24.9%の減益、計画比で0.7%の下振れとなった。ベトナムのSUNSCOが4.1億円、インドのKUMAが2億円の減益となった。
〇個社の業績(同7ページ)
●丸一ステンレス:ステンレス管の利益率悪化、半導体向けBA管の高付加価値製品の比率の低下などにより減収減益。
●丸一アメリア:販売数量も増加し、増収増益、利益は昨年比で2倍超に拡大した。
●SUNSCOは、アメリカのAD(アンチダンピング)により鋼板の輸出がストップとなり、減収減益となった。
〇営業利益の増減要因(同8ページ)
丸一鋼管単体と米国4社の回復により、増加増益要因となった。
〇販売数量の増減要因(同9ページ)
SUNSCO、米国向け鋼板輸出がADによりストップしたことで、販売数量は大幅な減少となったが、しかし、計画に対してはほぼ予想通りに着地。
〇単体の営業利益の増減(同10ページ)
スプレッドの拡大が寄与。
〇個社の取組み
●日本(同11ページ)
丸一鋼管の販売数量は、需要低迷により、上期、同2.1%の減となったが、スプレッドの改善に努め、増益に寄与。下期は前年度を上回る販売数量を目指し、通期でも前年比増増を目指す。
販売環境としては、住宅・建築関係は引き続き低調。しかし、その中でも、データセンタ物件、国土強靱化工事など重点営業分野と位置付け、グループ会社一体となり戦略的に取り組んでいく。
丸一鋼板は、浜松加工センターに最新鋭のドイツ製切断加工機を追加導入し、自動車向け鋼管の切断能力増強、さらなる需要の補足に注力。
丸一ステンレス鋼管は、半導体関連は、新設工事の需要は引き続き低調。下期は、韓国や中国のスポット案件の取り組みなどにより、半導体用BA管の数量増を目指す。また、11月7日に開示したが、Valex社の国内代理店として、EP管や継手等を取り扱う販売会社METALEXの全株式を丸一ステンレス鋼板が取得する契約を締結。これにより、EP管の商品の証券を取り込み、同社の販売網を通じて、国内での半導体用配管の販売を整備・強化していく。
ステンレス管は、造船向けを除いて需要は低調で、問屋向けの出荷量も減少が続いている。一方で、26年度の石油化学プラントやゴミ焼却施設の取り替え工事などの引き合いも出てきており、これらを積極的に取り込んでいこうと強化している。
●米国(同12ページ)
LEAVITTは、CRU上昇によりスプレッドが改善し、2Qは営業利益率10%以上を確保することができた。さらなる収益強化を目指し、製造コスト削減、生産性改善、留まり向上による収益力を強化中。
MNTは、今年の5月にスリッターが稼働を開始。スリットコイルの購入から原コイル購入への切り替えも完了。今後、在庫圧縮、納期短縮、コスト削減に寄与していくと期待している。
西海岸のMOST。CRUが6月に4月比で100ドル程度下落したことから、スプレッドに悪影響が出ることが懸念されたが、販売価格の維持に努め、スプレッド圧縮を食い止め、販売数量も高いレベルを維持。
これらの結果により、予想を上回る利益を計上することができた。
MST-X。半導体需要低迷による販売数量減のリカバリー策として、半導体以外のオイル&ガス、自動車向けのBA管の拡販を推進中。これらの用途で必要な検査機器や印字機については、26年2月に設置を完了する予定。なお、トランプ政権の関税によりコストが上昇するが、この分については製品価格に転嫁することで顧客と合意済み。
MMX(メキシコ)、モンテレイの新工場は、26年春の稼働に向けて設備の据え付けを再開した。モンテレイ工場では、自動車用鋼管に加え、バギー、農業、建材分野においても営業活動を行っている。
●ベトナム(同13ページ)
SUNSCO、輸出鋼板の米国向けが大幅減少を受けた一方で、利益率の高い鋼管は米国向けで数量がプラスとなり、利益を確保することができた。
国内向けは、営業力や商品開発力を強化し、鋼板・パイプともに新規需要を開拓。ベトナム政府によりガソリンバイクの規制が強化されたことをきっかけに、二輪車のEVシフトが加速。二輪車向けを主力とするハノイは、EVメーカー、VinFastからの受注もあり、堅調に推移。
KUMA、サービス税減税に伴う需要増を見越した生産の積み増しや堅調な需要により、2Qの生産台数は、前年同期比で、二輪車+10.6%、四輪車+4.2%、乗用車+8.5%となった。販売も好調を維持。これらの生産台数増でKUMAの販売数量も増加したが、顧客の意向により、スプレッドの低い現地の原材料への切り替えが進んでおり、この影響により営業利益が低下、営業利益率の低下の改善を図るべく、販売価格の見直し、生産コストの削減などを推進中。
フィリピンMPST、2Qの生産台数は36.1万台、前年同期比の+5.6%。自動車向けの拡販についても着手し、新たに新規アイテムを受注。今後も新規部品分野の案件に注力していく。
<足元の事業環境認識>
〇国内(同15ページ)
国内鋼板については、鋼板需要は軟調。需要の弱さと安価な輸入材の流入により、コスト上昇分の価格転嫁も厳しい状況に陥っている。
溶融亜鉛鋼板においてはAD調査が開始されたが、輸入材の前倒し発注などで安価な輸入材が増加傾向にあり、国内高炉・鋼板メーカーが物件対応などでより対抗していることで競争が激化。足元は厳しい状況が続くが、関税適用が見込まれる来年以降の市況改善に期待。
続いて、国内鋼管。建築関連は、中径類を除き総じて低調。その中でも、データセンタなどの案件に期待が寄せられている。自動車関連は、下期生産台数の増加を見込む。造船関係も堅調に推移。
〇海外(同16ページ)
●米国:セーフガードやダンピングによるコスト上昇は市場に浸透したとみている。先行きの不透明感も払拭され、市況は比較的落ち着いている状況。
今後は、金利動向や為替など経済のファンダメンタルズによる影響の方が大きくなるのではないかと想定。CRU価格については、3月にピークを形成し、その後はジリ貧傾向。しかし、今年はこれ以上の先安感はなく、通常減速する10-12月においてもこのまま横ばいで推移するのではないかと予想。
●ベトナム:3Qの実質GDP成長率は8.23%、2Qから伸び率が加速。最大の輸出国である米国は、8月の相互関税導入後、除外品の輸出にも支えられ、全体としての減少幅は小幅にとどまっている。ホットコイル市況は、7月をボトムに反転したが、ボトムから20ドル程度上昇したのみで横ばいが続いている。中国材のAD税率が23パーセント以上で決定したものの、依然として輸出用途やAD逃れの超幅広材の流入などにより、安価な輸中国材が輸入全体の半数を占めており、市況上昇の足かせとなっている。
<26/3期業績見通し修正>
〇26/3期見通し(同18ページ)
上期の実績と足元の状況を踏まえ、通期の計画を修正した。26/3期修正計画は、売上高2,450億円、前年比6.4%の減収、営業利益324億円、同41.4%の増益、経常利益343億円、同28.7の増益、当期利益222億円、同17.9%の減益と修正。売上高、利益については、期初計画に対して下方修正となった。
〇セグメント別(同19ページ)
今回の修正により、営業利益が12%下方修正。こちらの内訳は、日本セグメントが9.7億円マイナス、アジアセグメントが2.2億円マイナスとなっている。日本セグメントの9.7億円のうち5億円のマイナスが丸一ステンレス鋼管の修正。個社ごとの修正計画の売上高、営業利益を20-21ページに示したので参照。
<株主還元>
配当金は、修正の計画の当期利益が期初計画よりも12億円の減額修正となったが、配当額は先般発表した数字を維持。これにより、配当性向は45.7%。前年度と比較し、株式分割前換算で1株当たり3.5円の増額となる。また、投資単位の金額の引き下げにより、株式の市場流動性の向上を図ることを目的に、1株につき3株割合の株式分割を25年10月1日付けで実施した。資料の下の表に、一株当たりの配当金の推移を示ししている。
続いて、自己株式の取得。25年6月20日までに、累計約170億円分の自己株式の取得を完了している。これに加えて、25年6月23日から26年3月31日において、総額120億円を上限として、自己株式のつい追加取得を決定。こちら取得状況は、25年10月31日までに総額38.2億円分を取得済み。
また、本日開示しているが、ToSNET-3により350万株を上限により買い付けを行う。
<参考>
図表2、四半期別の業績推移

出所:会社発表資料よりIRU作成
(IRuniverse 井上 康 )