再生材ビジネスコンサルタントとして活躍する西田純氏は11日、都内で「お金になる脱炭素・循環経済攻略セミナー」を開催した。誰でも簡単に使用できるカーボンフットプリント(CFP)計算アプリ「SCATシリーズ(simple CO2 account tool)」の有用性を説明したうえで、脱炭素を意識した脱炭素ビジネスが“お金になる”ことを参加者に訴求した。
「SCATシリーズ」はサステナビリティ技術設計機構の原田幸明代表理事が解発したCFP計算アプリ。企業の事業所や企業全体を対象にしてCO2の排出の現状を計算し、可視化する。国の統計情報に基づく算定方法を採用しているほか、高い簡便性も強みの一つ。CO2発生原単位のような専門知識や、関連する上流、下流プロセスの情報知識は不要で、対象となる事業所や会社での物流の管理情報があれば計算できるように設計されている。
西田氏は、お金を入れるだけで、飲み物や食べ物がすぐに手に入る「自動販売機」のようなものだと同ツールの簡便性を強調していた。西田氏がコンサルタントとして関わったとある企業では、CO2やライフサイクルアセスメントなどの分野をまったく学んだことのない入社5年目の女子社員が1年間、ツールを使用して、取締役会などの資料を作成した結果、専門知識を身に付け、事業戦略に関わる有用な指摘をするまでに成長したという。
セミナーでは、参加者が実際にアプリをダウンロードして、簡易的な試算を実施。その使いやすさを実感していた。エクセルファイルとしてツールが構成されているため、アプリダウンロードや利用におけるシステムリソースへの負荷が比較的低い点も大きな特徴といえる。
また、西田氏は、脱炭素や循環型事業をお金に変えるためには有用なアプリに加え、オープンイノベーションの必要性だと伝えたうえで、餅や餅屋に任せつつ儲かる仕組み作りを推進することが必要だと説明した。
同セミナーを主催した西田氏は産学連携による技術開発で連続して特許出願を果たしており、主に戦略コンサルタントとして活動。加えて、サーキュラーエコノミー・広域マルチバリュー循環研究会幹事、循環経済協会会員、武蔵野大学環境大学院非常勤講師、富山高専シニアフォローとしても活躍する。
西田のコンサルタントは当然有料となるが、同氏の言う通り、国内では法改正をはじめ、脱炭素化や資源循環を推進する取り組みが加速しており、同分野では追い風が強まっているといえる。そう考えると、「SCATシリーズ」の利用料もその中に含まれるコンサルタント料はそこまで高い投資ではないかもしれない。
(IRuniverse K.Kuribara)