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欧州アルミ価格が9か月ぶり高値 アイスランドの精錬所故障で、供給不安での金属高騰が拡大

2025/11/14 17:57
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欧州アルミ価格が9か月ぶり高値 アイスランドの精錬所故障で、供給不安での金属高騰が拡大

 欧州のアルミ価格が上昇している。欧州アルミ新地金は11月14日に$340/tonと2月12日以来9か月ぶりの高値を付けた。アイスランドの精錬所が10月から停電により減産しており、供給が細るとの懸念が効いてきている。足元では銅や一部マイナーメタルが供給不安から上昇しているが、アルミも仲間入りの様相だ。

 

■精錬所故障、修理に1年近くかかる見通し

過去3か月間の欧州アルミ新地金(P1020A)プレミアム(欧州ロッテルダム)とLMEアルミ価格の推移

 

 欧州アルミ新地金は8月から既に上昇基調を強めていたが、10月以降はロンドン金属取引所(LME)のアルミ価格が足踏みするのを横目に毎週のように値上がりしている。

 

 ことの起こりは米アルミ地金大手のセンチュリー・アルミニウムがアイスランドで運営するグルンダルタンギ・アルミニウム製錬所で、電気機器の故障が起きたことだった。精錬所は2つのポットラインのうちの1つで生産を中止し、生産量は3分の1に落ちた。

 

プレスリリース: Century Aluminum Company - Century Aluminum Reports Electrical Equipment Failure Affecting One Potline at Grundartangi, Iceland Smelter

 

 英金融メディアのグローバル・バンキング・アンド・ファイナンス・レビュー(GB&FR)などの外電が11月13日までに伝えたところによると、センチュリーの経営陣は11月6日の四半期決算の説明会で、グルンダルタンギ精錬所の現状について「交換用変圧器の製造、出荷、設置には推定11〜12か月かかる」と述べたという。同氏は「故障した変圧器を修理できれば、ポットラインをより早く再開できる可能性がある」と付け加えたとされるものの、関係者の間では修理が長引くとの受け止めが広がった。

 

■欧炭素税導入前に先回り買い

 一部の金属市況では、供給不安が価格を押し上げる状況が続いている。代表的なのは銅だ。米フリーポート・マクモランがインドネシアで運営する地下鉱山で事故が起き、供給不安から過去最高値圏に上げている。コンゴ民主主義共和国(DRコンゴ)が輸出を統制するコバルトや、中国が輸出規制するタングステン、資源枯渇が言われるアンチモンなども急伸している。

 

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 欧州特有の事情もある。2026年の年明けから制度の本格的な運用が始まるのが、炭素国境調整メカニズム(CBAM)だ。欧州連合(EU)域外から輸入される特定の製品に、EU域内で適用される炭素価格の支払いを課す。アルミは課税対象になっており、欧州の業者の間では施行前に先回りしてアルミを調達する動きが広がっているという。

 

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(IR Universe Kure)

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