中国国家統計局が11月14日までに発表した中国の2025年10月の主要月次統計は総崩れの様相となった。工業生産高と小売売上高がともに2024年8月以来の低い伸び。不動産開発投資と固定資産投資の悪化も歯止めがかからない。輸出入も前月から大幅に悪化し、新車販売や銀行融資も低調だった。
不動産開発投資の減少率は15%に迫る大きさに拡大した。9月に前年割れした固定資産投資もマイナスが続いた。消費は10月上旬に国慶節・中秋節の大型連休があったが、盛り上がらなかった。非製造業の景況感指数(PMI)は9月から小幅に上昇したものの微調整の範囲内。消費者物価指数(CPI)もゼロ水準で小動きが続く。輸出入は東南アジア向けが堅調とされるが、対米輸出の急減を補えなくなりつつある。
新車販売は前年同月比8.8%増。このうち50%を新エネルギー車が占め、電気自動車(EV)の普及が鮮明化した。しかし、そもそもの景気が悪いため販売台数の伸びは限定的となった。人民元建て銀行融資は2200億元と9月の1兆2900億元から急減した。
2025年の中国の主な経済指標

注)単位は新規融資以外は前年同期比増減で%、新規融資は元。GDPは四半期。不動産開発投資と固定資産投資は年初からの累計。▲はマイナス。
(中国国家統計局、中国海関、中国汽車工業協会、中国人民銀行などの発表をもとにIR Universeが作成)
米中は10月30日の首脳会談を経て一定の歩み寄りを見せており、今後は貿易がやや改善することも期待できる。ただ、中国政府が打てる景気対策は限られ、特に不動産市況に対しては打つ手がない状態に陥っているとみられる。固定資産投資が悪化していることからも、政府主導でプロジェクトを進める余地もなくなりつつあるようだ。
一方で、中国の生産者は需要が低い中でも生産ペースを落としていない。このため、鉄鋼に始まった中国のデフレ輸出は今後、他分野に一段と拡大する可能性が高い。
(IR Universe Kure)