Argus Media Japanは19日、東京都の九段会館テラスで、「Argus Japan Commodities Day 2025」を開催。エネルギーやコモディティ業界の最新動向を報告した。国内市場における今後の電源構成について講演した長谷川元子氏は、火力燃料の存在意義について言及。「脱炭素への移行期も、火力は電力の安定供給に必要」と強調したうえで、「需要見通しが不透明ななか、柔軟な調達が今後ますます求められる」と見解を示した。
長谷川氏は冒頭、今年閣議決定された第7次エネルギー基本計画における予測シナリオについて触れ、不確実性を前提としたシナリオではあるが、「導入目標にも差が生じている」と問題点を指摘した。複数シナリオ下で、リスクシナリオも加味すると、天然ガス(LNG)の一次供給量は5300~7400万トンの開きがあるという。この差は、2024年度のLNG輸入量(6600万トン)の32%に相当するという。
その上で、長谷川氏は火力燃料の強みは「供給力」と「調整力」だと主張。燃料があれば、安定的に発電できるほか、第7次エネルギー基本計画の二大柱となる原子力や再生可能エネルギーが計画通りに増えるまで、電力の安定供給に寄与すると説明した。長谷川氏によれば、天候に左右される再エネは今後も増加が見込まれるが、実際の導入量は不透明とのことだ。
なお、21年に閣議決定された第6次エネルギー基本計画では、東京電力福島第一原子力発電所事故の経験から、「原子力については安全を最優先し、再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減する」と明記されていたが、7次基本計画の素案ではその記載は削除され、「原子力発電維持」の姿勢が明確となった。
長谷川氏は、原子力についても、原発の再稼働や次世代原発の開発はいまだ「不透明」だとし、火力燃料の安定的な供給確保が不可欠だとまとめた。
(IRuniverse K.Kuribara)