2025年11月21日(金)、(一社)日本鉄鋼連盟が2025年10月の鉄鋼生産概況(速報)及び2025年9月実績を発表した。
2025年10月の粗鋼生産(速報)は685.3万トンとなり、9月実績(637万6,521トン)比7.5 %増、前年同月(692万5,270トン)比1.0 %減となり、前年同月比では7か月連続で減少の見通しとなった。
粗鋼生産量は2025年3月の721万トンを除くと、2024年8月から700万トンを下回って推移。9月実績は2月と同様650万を下回ったが、10月(速報)は650万トンを上回る見通し。
なお、2025年度上半期の粗鋼生産量は4,007.8万トンと2024年度同期(4,183.8万トン)比4.2 %減となった。経産省の見込みを更に下回った。
2024年度の月換算での粗鋼生産量は、691.3万トンであり,9月実績はこれを大きく下回ったが、10月速報値も、これを下回る見込み。
10月の1日当たり粗鋼生産量では22.1万トンとなり、9月の同(21.3万トン)比では4.0 %増と約8千500トン増加する見通し。
<2025年度上半期>
2025年度上半期[2025年4月~9月累計]の粗鋼生産高は、4,007万7,545トンとなり、 2024年度上半期(4,183万7,540トン)比4.2 %減となった。
経産省の発表4,014.3万トンを更に下回った。
2025年度上半期[2025年4月~9月累計]の熱間圧延鋼材合計の生産高は、3,600万5,748 トンとなった。 2024年度上半期(3,697 万3,193トン)比2.6 %減となった。
表1に、2025年10月(速報)及び2025年9月(確定)、2025年1月~10月(速報値)累計、及び2025年4月~10月(速報値)累計の全国鉄鋼生産高を示す。
表1 全国粗鋼生産高

2025年8月(確定):前月速報値から修正された部分(黄色マーカー部)
<2025年10月鉄鋼生産速報>
2025年10月粗鋼生産685万トン、前月比7.5 %増、前年同月比1.0 %減の見通し
○ 銑鉄生産は485.1万トンと前月比5.2 %増、前年同月比4.4 %減となり、前年同月比では7か月連続で減少する見通し。
○ 粗鋼生産は685.3万トンと前月比7.5 %増、前年同月比1.0 %減となり、前年同月比では7か月連続で減少する見通し。
10月の1日当たり粗鋼生産は22.1万トンで、9月の同21.3万トン比4.0 %増の、み通し。
○ 炉別生産では、転炉鋼が506.2万トンと前月比6.9 %増、前年同月比0.8 %減、電炉鋼が179.2万トンと前月比9.1 %増、前年同月比1.8 %減となり、前年同月比では転炉鋼は7か月連続の減少、電炉鋼は15か月連続の減少の見通し。
○ 鋼種別生産では、 普通鋼が537.3万トンと前月比9.6 %増、前年同月比0.8 %増、特殊鋼が148.1万トンと前月比0.5 %増、前年同月比7.3 %減となり、前年同月比では普通鋼は7か月ぶりの増加、特殊鋼は2か月連続の減少となる見通し。
○ 熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)の生産は594.2万トンと前月比1.2 %増、前年同月比2.7 %減となり、前年同月比では10か月連続の減少の見通し。
○ 普通鋼熱間圧延鋼材の生産は471.7万トンと前月比4.3 %増、前年同月比1.9 %減となり、前年同月比では10か月連続で減少の見通し。
○ 特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は122.6万トンと前月比9.2 %減、前年同月比5.4 %減となり、前年同月比では3か月ぶりで減少する見通しとなった。
2025年9月(実績)までの月別生産高推移を図1に示す。

図1 銑鉄、粗鋼及び熱間圧延鋼材の月換算、生産高推移
<2025年9月実績>
○ 銑鉄生産は461万2,399トンと前月比7.7 %減、前年同月(480万1,647トン)比3.9 %減となり、前年同月比では6か月連続で減少した。
○ 粗鋼生産は637万6,521トンと前月(662万2,728トン)比3.9 %減、前年同月比3.7 %減となり、前年同月比では6か月連続の減少となった。
9月の1日当たり粗鋼生産は21.3万トンで、8月の同21.4万トン比0.7 %減となった。
○ 炉別生産では、転炉鋼が473万5,162トンと前月(511万3,611トン)比7.4 %減、前年同月(376万6,073トン)比1.2 %減、電炉鋼が164万1,359トンと前月(152万1,238トン)比7.9 %増、前年同月(182万8,983トン)比10.3 %減となり、前年同月比では転炉鋼は6か月連続の減少、電炉鋼は14か月連続の減少。
○ 鋼種別生産では、 普通鋼が490万3,600トンと前月(512万6,721トン)比4.4 %減、前年同月(509万7,026トン)比3.8 %減、特殊鋼が147万2,921トンと前月(150万8,128トン)比2.3 %減、前年同月(152万5,702トン)比3.5 %減となり、前年同月比では普通鋼は6か月連続の減少、特殊鋼は2か月ぶりの減少となった。
○ 熱間圧延鋼材(普通鋼、特殊鋼の合計)の生産は587万2,436トンと前月(593万1,281)比1.0 %減、前年同月(606万2,080トン)比3.1 %減となり、前年同月比では9か月連続で減少した。
○ 普通鋼熱間圧延鋼材の生産は452万2,860トンと前月(469万2,856トン)比3.6 %減、前年同月比4.6 %減となり、前年同月比では9か月連続で減少した。
○ 特殊鋼熱間圧延鋼材の生産は134万9,576トンと前月(123万8,425トン)比9.0 %増、前年同月(132万2,095トン)比2.1 %増となり、前年同月比では2か月連続で増加した。
<最終鋼材>
・普通鋼最終鋼材の9月の生産は448万7,685トンと前月(449万3,987トン)比0.1 %減、前年同月(461万3,695トン)比2.7 %減となり、前年同月比では9か月連続の減少となった。
・9月の普通鋼鋼材国内向け出荷は、前年同月比1.7 %増の296万トンと2か月連続の増加となった。輸出向け出荷は同15.3 %減の166万トンと2か月ぶりの減少となった。
・9月末の普通鋼鋼材国内向け在庫は、前月末比8.4万トン減の505万トンとなった。なお、在庫率は前月末比40.1ポイント低下の170.7 %となった。
2025年11月21日に鉄鋼連盟が発行した鉄鋼需給の動き(2025年11月)、表7を下記に示す。
2025年度上半期[2025年4月~9月累計]の普通鋼鋼材の生産高は、2,748万6,312トンとなった。2024年度上半期(2,842 万3,113トン)比3.3 %減となった。
一方、2025年度上半期[2025年4月~9月累計]の特殊鋼鋼材の生産高は、722万3,520トンとなった。2024年度上半期(719 万3,933トン)比0.4 %増となった。

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