ICM上海で見えた、“循環 × デジタル × AI” の次の地平
― 北辰循環(NS Recycling)副総裁 Linhan Ge 氏 & LAUFFER Vision Sun 氏 に聞く ―
上海ICM の会場を回っていて感じたテーマの一つは。リチウムイオンバッテリーリサイクル × デジタル技術の融合である。
その象徴ともいえるのが、
North Star Advanced Recycling Technology(北辰循環 / NS Recycling) と
LAUFFER Vision の二つのブースだ。
■ 北辰循環・Linhan Ge 氏 ---「リサイクル工場は、材料産業へ進化する」
まず ICBC ロビーでお話を伺ったのは、 急成長するバッテリーリサイクル企業 北辰循環(NS Recycling)副総裁 Linhan Ge 氏。
同社は、LiB の安全放電から解体・破砕、
ブラックマス精製、さらには 前駆体・電極材の再生成 まで手がける“循環型リサイクルメーカー”だ。
「Black Mass をどれだけハイグレードに戻すか。
私たちは“材料再生”までやる会社です。」
その言葉の通り、北辰循環はすでに
「単なる処理会社」から「次世代材料企業」へと立ち位置を移しつつある。
さらに Ge 氏が強調したのは、
リサイクルプロセス全体で進む AI・デジタル化の導入だ。
「デジタル化やAIは、安全性・効率の両方を高める。
EVバッテリーの取り扱いで“安全管理”は技術革新の核心です。」
バッテリーの自動識別、危険セル検知、リアルタイムの設備保守。
この動きは、従来の“重工場”イメージから大きく様変わりした
“スマートリサイクル工場”への転換点にある。
■ その流れを加速させるのが、LAUFFER Vision のAI
「AIはすでに、人間の“見分け方”を超え始めている」
北辰循環の話を聞いた後、 その流れを裏付けるような存在として注目を集めていたのが ICM展示会場の LAUFFER Vision ブースだ。
中国・合肥を技術拠点とし、 2025年にはロンドンに欧州法人を構える同社は、 AI × センサー技術による sensor-based sorting(センサー式選別) を武器に急速に国際展開を進めている。
今回 ICM上海で披露されたのは、 最新世代の AI-powered sorter(AI搭載選別機)。
LAUFFER Vision の Sun Jiahui 氏 によれば、 従来センサーに深層学習を組み合わせることで・小さな異物の検出・複雑な材料組成の識別・金属・非金属の高精度分別が飛躍的に向上しているという。
「AI はまだ発展途上だが、 “素材の見分け方”はすでに人間の限界を超え始めている。」
特に LiB リサイクルでは、 歩留まり改善・安全性向上 のニーズが急増しており、 Sun 氏のブースには国内外のリサイクル企業が足を止めていた。
ICMの会場では、実機デモ動画やサンプルが並び、 LAUFFER Vision の技術が “スマートリサイクル化”の実現を後押ししていることを強く感じさせた。

■ 「循環 × 材料再生 × AI」
リサイクル産業は次のステージへ
北辰循環が語る 「材料再生まで含む循環型モデル」 と LAUFFER Vision が示す 「AIによる精密選別」。
この二つは実は切り離せない。 高品質なブラックマス・再生前駆体を作るほど、 不純物管理・材料識別の“精度”が重要になるからだ。
つまり、 材料メーカー化するリサイクル企業 × AI化する選別技術 という組み合わせこそが、次の業界標準になる。
国際連携が進む中、 アジア・欧州・日本の企業がそれぞれの強みを持ち寄ることで、 世界のバッテリー循環はさらなる加速を見せるはずだ。
IRuniverse では今後も、 この “変革の最前線” を現場から伝えていきたい。
そして今年3月には、東京で開催される13th Battery Summit ~経済安保の観点から考えるクリティカルマテリアルの現在~にて、
世界のバッテリー業界・リサイクル企業・素材メーカーが一堂に会する。
北辰循環や LAUFFER Vision の最新技術・戦略も、ここでさらに注目を集めることになるだろう。
(IRuniverse, Risa)