東京製鐵は12月15日、東京都千代田区の本社で、2026年1月契約分の鋼材「積み出し価格(販売価格)」を発表した。
建設向けの主要品種では、H形鋼を1トン当たり11万3000円、溝形鋼を同9万9000円、角形鋼管を同11万8000円とした。厚板は同9万7000円、ホットコイルは同8万6000円とした。
同社は会見で「今月は全品種据え置き」と説明した。市況の先行きが見通しにくい中、国内外の需給環境を見極める必要があるとし、値動きを急がず、需要動向を確認しながら販売を進める姿勢を示した。
今回の価格表では、棒鋼は1トン当たり8万2000円、U形鋼板を同11万2000円とした。薄板分野では、酸洗コイルを同9万2000円、縞(しま)コイルを同8万9000円とした。溶融亜鉛めっきコイルは板厚に応じて同12万1000円~13万1000円とした。
会見では、市況についての見立ても示した。
海外は米国で鉄鋼メーカーの稼働率改善や市況上昇がみられ、小松﨑裕司取締役常務執行役員は「50%関税による効果が見受けられる」と言及した一方、世界的には保護貿易的な動きが続き、取引は勢いを欠くとした。アジアでは通貨安や資金繰り悪化、政治不安などで市場活力が弱まり、中国は冬場の環境対策に伴う減産の動きがあるものの、高水準の輸出量から需給改善座きに至っていないとの認識を示した。
中国に関しては、輸出が高水準で推移しているとの見方を示し、来年1月1日から一部鉄鋼製品で小松﨑氏は「輸出許可書の提出を義務付ける方針が発表された」と説明した。投機的な安売りが減る可能性に触れつつ、影響は「これから見極める」とした。
国内については、冬場に入り地域差もある建設工事の着工時期のずれや工程遅延などで鋼材の動きが鈍いと指摘した。その上で、来年以降は首都圏の大型再開発案件で鉄骨工事が本格化するほか、施工会社が新規案件の受注を増やす動きも出てきているとし、低迷していた中小物件も「来週以降に持ち直しが予想される」と述べた。在庫が低位に推移する中で、需給バランス改善に伴う市況の反転を期待する考えも示した。
またスクラップ材に関し片山浩嗣購買部主席は「今年の鉄スクラップ市場は円安と発生不足に助けられた。来年も主にベトナム市場が鉄スクラップの輸出先となる。また、為替が150円を割れば国内スクラップも下がる」との考えだ。
このほか同社は、生産計画や、年末年始・冬期の工場停止スケジュール(田原、岡山、九州、宇都宮の各拠点)も説明した。需要動向に見合った生産を継続し、需給調整に努める方針を強調した。
(IRunivese T.Morio)