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メック、先端半導体向け樹脂Cu密着向上剤伸長し25/12期11.3%増収20.5%営業利益増予想に増額も再増額期待

2026/01/06 14:42
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メック、先端半導体向け樹脂Cu密着向上剤伸長し25/12期11.3%増収20.5%営業利益増予想に増額も再増額期待

メック(4971)25/12Q3決算メモ     先端半導体向け拡大続きポジティブ継続

 

25/12期CZシリーズ好調で11.3%増収20.5%営利増予想に増額修正、26/12期も収益拡大

 

株価5180円(1/5) 時価総額1000億円     発行済株19571千株

PER(DO予:20.8X)PBR(3.3X) 配当(DO25/12予)87円  配当利回り:1.7%

要約

 

25/12Q3先端パッケージ向けCZシリーズ好調で15.3%増収40.4%営利増と収益上伸続く

電子基板向け銅表面処理剤を主力に先端半導体向けに強みを有する。25/12Q3業績は、売上高56.01億円(15.3%増)、営業利益18.06億円(40.4%増)、経常利益18.68億円(76.4%増)と、四半期で2期連続過去最高売上、最高営業利益、経常利益も24/12Q2を抜き最高額更新となった。

製品別売上では大半を占める薬品売上が55.33億円(18.8%増)となった。製品別では主力の密着向上剤が41.63億円(23.5%増)に。中心となるCZシリーズが37.28億円(25.5%増)となり、特にパッケージ基板向けに高シェアを誇るCZ8101は20.20億円(37.5%増)、また先端品向けにはCZ8201並びにCZ8401の後に化学密着向上剤APシリーズを合わせた製品群も13.50億円(16.0%増)となった。一方、車載関連で先端デバイスほど高密度が求められないデバイス基板向けのCZ-8100は車載向けなどの停滞で3.58億円(6.2%増)にとどまった。多層電子基板向け黒化処理代替密着剤V-ボンドシリーズ等は1.59億円(22.8%減)と民生不振が影響した。エッチング剤は11.33億円(5.0%増)と緩やかな回復となった。

 

地域別動向では、日本が21.91億円(13.5%増)、営利12.45億円(19.6%増)と、生成AI関連など先端パッケージ向け製品需要の拡大が寄与、PC向け、従来サーバー向けも復調している。また代理店経由では韓国向けではHBM向けパッケージ基板が拡大している模様で回復基調にある。台湾は売上高10.06億円(27.0%増)営利1.31億円(61.7%増)とAI半導体向け先端パッケージ拡大で大幅増に。中国向けは売上高20.47億円(26.0%増)と、営利3.08億円(40.6%増)とハイエンドスマホ、HPC向けが好調、利益面でも増収効果が寄与している。欧州は売上高5.92億円(2.9倍)、営利0.22億円(0.34億円改善し黒字転換)と、在庫調整一巡で黒字化した。

利益面では全体を通じ、薬品の数量が12859t(15.0%増)と数量効果が寄与、さらに収益性の高い密着向上剤の7.34億円増収効果でMIX良化から大幅増益に。

営業利益の増減要因(5.20億円増益)では、薬品の売上数量増効果が4.73億円と大半を占め、これに粗利の為替差益0.81億円などが寄与した。なお26/3Q3累計の営業利益増減要因(36.49億円→42.47億円、5.98億円増)でも薬品売上・数量増効果が8.93億円を占め、期を追って薬品売上増効果が高まっている。

25/12期11.3%増収20.5%営利増と増額修正も先端半導体向け拡大で収益上振れ期待

 25/12期会社予想はQ3累計の収益進捗率が高いことから増額修正した。25/12期修正予想は売上高203億円(期初計画比3億円増額、11.3%増)、営業利益55億円(同5億円増額、20.5%増)、経常利益56.5億円(同5.5億円増額、20.7%増)、税引利益43.0億円(同7.0億円増額、87.6%増)予想とした。製品別、地域別予想の開示はないが、引き続きAIデータセンター向けAIサーバーに搭載される大型かつ多層のFC-BGA基板(GPU/CPU)向けの拡大等で密着向上剤が主力のCZ8101中心に伸び、CZシリーズ全体で大幅増収を見込む。またエッチング剤も高密度パッケージング技術を利用したCPUの投入で需要拡大が見込める。

現状、25/12Q4が売上高53.12億円(同期比16.7%増、Q3比5.2%減)予想となっており、営業利益では12.53億円(同期比37.2%増、Q3比30.6%減)とQ3比大幅減を想定している。Q4では開発費や償却費、人件費増などが嵩む要因はあるが、AI半導体の繁忙が継続しており、為替も想定より円安に推移、25/12期収益の再増額が期待され、連続最高収益更新となろう。

 

新中計で27/12期に売上高250億円、営利率20%以上を目指すも前倒し達成期待

 会社側では新中計として27/12期に売上高250億円、営業利益率20%以上の達成を目標として掲げている。この中でコア事業が235億円、応用展開15億円とした。既存事業における収益性維持・強化、応用展開分野、新規事業創出の施策を実現するため、研究開発費を売上高比約10%(24/12期は7.3%、25/12期予想7.0%)へ大幅に積み増す計画となっている。

事業環境としては先端パッケージの拡大、超高密度化や超高周波化により、関連するCZシリーズに加え、化学密着向上剤APの需要の伸びを見込む。現在、パッケージ基板においてはAIデータセンター向けなどでチップレット化が進展、基板の大型化と積層数の増加が進展している。またエッチング剤ではそのような中で高付加価値製品の拡大が見込まれる。なお、従来の半導体パッケージ基板の製造(SAP法)では絶縁樹脂の上に銅めっきで回路を形成するが、樹脂表面には銅が密着せず、薬品で樹脂表面をわざと荒らし(粗化)、微細な凹凸の「アンカー効果」で密着させるのが一般的であった。しかし超微細化により、従来の薬品では密着強度を上げると凹凸が大きくなりすぎる。配線幅が数ミクロン(μm)レベルまで微細化すると、大きな凹凸は配線そのものを断線させたり、高周波信号の伝送ロス(表皮効果による損失)を増大させたりする問題を引き起こす。これに対し同社の先端品(次世代CZシリーズ等)は、「ナノレベルの均一な微細凹凸」を形成する技術を確立した。「配線へのダメージを最小限に抑え(低伝送ロス)」つつ、「強力な密着性を確保する」という、相反する要求を高い次元で両立ができている。

 

中長期的には、半導体後工程の技術進化(チップレット、2.5D/3D実装)が、同社の高付加価値製品の需要をさらに押し上げる構造にある。またチップレット技術の進展により、インターポーザ(シリコン製または有機製)やハイブリッド接合など、新たな実装技術が普及する。

 

同社は9/3に次世代半導体パッケージのコンソーシアム「JOINT3」に参画、パネルレベル有機インターポーザーに適した表面処理材の開発を推進する。

新プロセスにおいて、競合他社が追随できない微細配線への対応力は、中期経営計画以降においても強力な成長ドライバーとなろう。

株価は2/14の本決算発表で25/12期予想が25/12H1で増収減益予想となったことから下落、4/7には年初来安値1804円まで下落した。その後、5/12の25/12Q1発表が営業増益だったこともあり反発した。8/8の25/12H1発表で増額着地となったことから本格上昇に転じ、11/11の25/12Q3発表で通期増額予想としたことから11/13には年初来高値5600円を付け、その後も5000円台を維持している。現在25/12期修正会社予想EPS232.71円に対しPER22.2倍はプライム化学平均PER17.9倍に対し多少割高である。同社安値平均PER17.7倍に対しても買われている。類似企業の上村工業(4966)の17.6倍、四国化成(4099)の17.1倍、石原ケミカル(4462)の12.0倍と比較しても割高水準にある。しかい、現状このPCB関連銘柄群はいずれも営業利益最高益更新銘柄であるが、同社は再増額修正が期待でき、割高感は多少薄れよう。中計予想の前倒し達成の期待があり、先端半導体関連銘柄としては決して割高ではない。今後も最高益更新が続く見通しであり、株価急騰ながらポジティブ継続としたい。

  *図表は会社説明会資料から添付、チャートはヤフーから添付

 

 

 

               *PCB基板加工用薬品 上村工業(4966)四国化成(4099)、石原ケミカル(4462)との比較

 

 

 

(IRuniverse Okamaoto)

 

 

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