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トリケミカル研究所(4369)  26/1期米中問題考慮し21.7%増収4.6%営利増予想に減額も、半導体生産拡大で上振れ期待

2026/01/08 03:43
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トリケミカル研究所(4369)  26/1期米中問題考慮し21.7%増収4.6%営利増予想に減額も、半導体生産拡大で上振れ期待

トリケミカル研究所(4369) 26/1Q3決算メモ      ポジティブ継続

 

26/1期米中問題考慮し21.7%増収4.6%営利増予想に減額も半導体生産拡大で上振れ期待

 

株価2971円(1/7)   時価総額965億円   発行済株32498千株

PER(DO予:18.4X)PBR(2.8X) 配当(26/1期DO予)40円  配当利回り:1.3%

要約

 

26/1Q3は中国向けHigh-k材の在庫調整影響し9.8%増収も11.5%営利減にとどまる

 26/1Q3業績は、売上高56.35億円(9.8%増)、営業利益13.84億円(11.5%減)、経常利益16.59億円(0.7%減)、税引利益12.45億円(4.1%増)と、中国向けの減速影響から増収、営利減となった。

 

製品用途別ではSi半導体向けが53.87億円(12.1%増)と好調を持続した。内訳は最大製品のHigh-k材料が25.09億円(6.9%減)と低調に推移した。これは中国DRAM向けが在庫調整影響で減収となった影響が大きく、中国以外では売上が順調に増加している。一方、メタルは12.93億円(51.1%増)とチタン、タンタル等好調で伸長、先端半導体向けが牽引した。エッチング剤も7.13億円(44.0%増)と新製品効果などで大きく伸びた。その他CVDは8.72億円(14.7%増)と堅調な伸びを示した。

 

 地域別では最大仕向け先の中国で16.39億円(9.9%減)と、中国最大のDRAMメーカーであるCXMT向けのHigh-k材料が在庫調整で大幅に減速した。なおロジック向けなどは堅調だったが、埋めきれず減収となった。一方、台湾向けは22.91億円(25.0%増)と四半期で初めて20億円を突破し再び最大仕向け先に復帰、過去最高額を更新した。AI半導体向けが伸長しており、3ナノ、2ナノなど微細化進展でメタル材料などがフル生産状況、CVD関連も伸長している。韓国は3.89億円(86.1%増)と、新製品投入効果もあり急伸した。日本は10.70億円(6.2%減)となっているが、Si半導体以外が2.47億円(24.0%減)となっており、Si半導体向けは微増を確保しているとみられる。

 

 利益面では中国向けのHigh-k材料の減速影響が大きかった。さらに工場増設による減価償却費4.80億円(同期比1.45億円増)、労務費増なども影響し、減益を余儀なくされた。

 

26/1期予想変更せず21.7%増収4.6%営利増予想はAI半導体やDRAM回復で上振れ期待

 26/1期会社予想は、8/29の中国向けHigh-k材大幅減見通しを受けての減額修正予想を変更しなかった。このため26/1期予想は売上高230億円(期初計画比30億円減額、21.7%増)、営業利益55.0億円(同5.50億円減額、4.6%増)、経常利益65.3億円(同3.70億円減額、0.8%減)、税引利益48.0億円(同2.0億円減額、3.3%減)を据え置いた。

基本的に減額要因は中国メーカーのHigh-k材の減額による。中国CXMTがDDR4の生産の一部をDDR5に転換するため、PC、サーバー向けDDR4を2026年中旬までに段階的に移行するなどの影響で在庫調整が下期を通じ続く前提となっている。修正後の売上予想も変更せず、ユーザーの地域別では中国がメモリ中心にHigh-k向けを大きく減額している。

 

現状、26/1Q3収益の26/1H2(下期計画)収益に対する進捗率は、売上高で53.0%、営業利益で59.6%、経常利益で60.8%となっている。昨今の半導体生産推移を考えると、Q4に先端半導体向けが減速する要素はないとみられる。また推論向けAIデータセンタ投資の高まりで最近のDRAMの価格高騰、DDRメモリ不足が叫ばれるなど、状況が大きく変化している。特に地域別進捗率では中国が60.7%と、好調な台湾の56.6%の進捗率を上回る動きとなっている。また半導体製品別ではHigh-kが62.7%の進捗率と最も高く、ついで先端半導体向けが多いメタルが55.0%と続き、Si半導体全体で53.9%の進捗率となっている。

地域別にみると、台湾ではTSMCがGPU需要の高まりで先端ノードの構成比を高め、3nmからさらに2nmの売上構成比を高める方向にあり、リーク電流を制御するためのHigh-k材料の消費量が加速的に拡大する動きが見込まれる。

中国においては、CXMTがDDR4からDDR5へ移行する中で一時的な減産影響を織り込んだ数字と見られる。現状、DDR4、DDR5の需給逼迫で在庫調整が完了しているとみられることから、中国向けの上振れが見込まれる。

また韓国向けは新製品として400層を超える超多層3DNAND用に、クライオエッチングに用いられるHFガスに添加する「リン系の特殊な添加剤」の新規寄与が見込まれる。

26/1期について、台湾向けのAI先端半導体向けの増額、中国のHigh-kの回復による減額幅の縮小、韓国向け新製品寄与が見込める。さらに為替前提1$=140円を変更しておらず、円安による(1円の円安で年間0.45億円の為替変動による利益変動)利益寄与も加わる。このため、8/29の26/1期減額修正予想に対し増額着地が期待される。

 

中計で28/1期売上高315億円、営利86.2億円目指すもAI半導体拡大から上振れ達成期待

 同社は毎年中期経営計画を見直し、3期後の収益見通しを開示している。現在28/1期に売上高315億円、営業利益86.2億円、経常利益94.3億円(持分利益9億円を維持)を目標(為替1$=140円)として掲げており、26/1期減額でも中計の見直しは行わなかった。

 

製品用途別では26/1期までHigh-kが牽引、その後は2026年に同社DRAM向け特許切れがあり、CoWoS向けに開発するHigh-k材料が2品目程度あるものの伸び悩むとした。しかし伸長著しいHBMはHBM3EからHBM4、さらにはHBM4Eで年々世代交代が続く見通し。HBM4ではさらに多くのDRAMチップを積み重ねることが見込まれ、1つのスタックあたりの容量が増加する。このような高積層化は個々のDRAMチップの小型化が必要でHigh-k材の採用が重要な鍵となる。またHBMは3次元構造のため、TSVやバンプ間の間隔が狭くなる中で安定した動作を確保するためにチップ内部の絶縁性が非常に重要となるため、会社が想定している成長鈍化は考えにくい。

なお、会社側ではメタル(中国でのロジック半導体工場増設効果)、エッチング材料(NANDフラッシュ向け低温エッチング材料)が牽引するとしている。具体的には3D NANDフラッシュではクライオエッチング向けのエッチング材の本格拡大が見込まれる。最近は推論型AIデータセンタで大容量3DNAND搭載の超高速大容量SSD需要も急拡大する方向にあることも追い風となろう。

地域別では26/1期まで中国が牽引するとしていたものが26/1期大幅減額となったが、中国CXMTはDDR5へ全面移行する中で、当初は歩留まりが悪いところからスタートしたものの、数量は確保できつつあり、27/1期には中国向けHigh-kの増加が改めて期待される。このため27/1期は収益上伸が期待され、微細化などで同社への特定機能を持つ材料群の需要増から、中計予想に対し上振れ達成の期待が高まる。

 株価は8/26の中間決算発表時に26/1期減額修正を受け当日700円安のストップ安2570円をつけ、9/3には2455円まで売られた。しかし一時は悪材料を織り込み、多少戻した。続く26/1Q3発表(累計37.4%増収、30.2%営利増)を受けて大幅反騰し3000円大台を回復、足元ではボックス圏の動きとなっている。現在26/1期修正会社予想EPS147.71円に対しPER20.1倍は、プライム化学平均PER17.9倍に対し多少割高、ADEKA(4401)15.6倍に対しても多少割高、東京応化(4186)の27.8倍に対し割安な水準にある。同社はAI半導体関連メーカーであり、26/1期も減額修正予想に対し上振れ期待がある。27/1期はAI半導体の伸長で中計予想を前倒し達成できるとみられPERでの割安感もでてくるため、ポジティブ継続と考える。

 

 

 

 

 

*ADEKA(4401)、東京応化(4186)との比較

 

*同社関連は会社説明会資料を添付、業界動向は各種報道からアイ・アールユニバース加工、チャートはヤフーから添付

 

(IRuniverse Okamoto)

 

 

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