豪European Lithium社は1月13日、同社の米国ナスダック上場パートナー企業であるCritical Metals Corp(CRML)が、グリーンランドのTanbreezレアアースプロジェクトでの操業効率化・探査加速のためモバイル型(移動式)レアアース分析ラボ/研究所を発注したとの声明を発表した。発注先は、鉱業ラボに関する先進的な解決策を提供するBromet社で、ラボの値段はおよそ100万米ドルとのこと。
CRML社の主力プロジェクトであるTanbreezは、グリーンランド南部に位置し、世界最大級のレアアース鉱床の一つであると考えられている。European Lithium社はCRML社の普通株式53,036,338株(44.982パーセント)を保有しており、同プロジェクトは両者によって共同運営されているという。
CRML社曰く、今回のモバイル型(移動式)レアアース分析ラボの導入は、技術への重要な投資。実際の試運転および操業はグリーンランド政府および規制当局の承認を条件とするとあるが、実現すると分析結果の納期が大幅に短縮され、試料輸送の遅延が最小化される見込みであり、さらに品位管理、運営上の意思決定なども強化するものとして期待されている。
プロセスとしては、まず、Bruker M4 Tornado Plus 26S Micro XRFシステムの導入により、“鉱山からデータへ”のリアルタイム現地地質化学分析が実現される。これにより従来の外部ラボ処理に比べ分析所要時間を大幅に短縮することが可能となり、具体的には、全元素レアアース元素(REE)分析結果を約80分で生成することができるという。なお、分析研究所自体は同社所有となるが、実際の運営は訓練を受けたグリーンランド人要員が行い、分析結果は、適切な認定を受けた独立第三者機関による監督・検証を受けるものと述べられている。
CRML社のTony Sage会長は、Tanbreezレアアースプロジェクトを探査段階から採掘前パイロット操業へと推進させるにあたり、同研究所の導入は非常に重要であるとコメントしている。
ちなみに、European Lithium社およびCRML社からの同プロジェクトに関するアップデートはその後も続いている。1月15日には、同プロジェクトの2025年掘削プログラムの最初の分析結果が届き、“一貫した希土類元素のグレードを確認するとともに、ガリウム、ハフニウム、セリウム、イットリウムら戦略的金属の存在感により世界的に重要な超アルカリ性希土類鉱床システムとしての地位を強化”する結果であったことを発表。
翌16日には、CRML社がサウジアラビアの巨大コングロマリットグループTariq Abdel Hadi Abdullah Al-Qahtani & Brothers 社との間で、50/50の合弁事業(JV)設立に関する拘束力のない基本合意書を締結したことを発表。この取引には、Tanbreezプロジェクトのレアアース濃縮物生産量の25パーセントに対するサウジアラビアへの長期販売権が含まれると述べられており、この契約により、Tanbreezプロジェクトにて生産予定の希土類濃縮物は、既に発表済みの契約と合わせて全量(100パーセント)が長期オフテイク契約を確保したことになる。
(IRUNIVERSE A.C.)