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東京製鐵:26/3Q決算説明会を開催

2026/01/23 18:35
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東京製鐵:26/3Q決算説明会を開催

 1月23日15時、東京製鐵は同日14時に発表した26/3期3Qの決算を受けて説明会を開催した。説明に使われた資料はこちら

 

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 ⇒「東京製鐵:26/3Q決算を発表、大幅減収減益で業績見通しを修正

 

<決算ハイライト>(資料2ページ)

 売上高は2,018億円、前年同期比20.8%のマイナス。営業利益が81.7億円、同65.2%のマイナス。経常利益が95.3億円、同61.6%のマイナス。当期利益93.9億円、同44.3%のマイナスとなった。

 今回の3ヵ月間においては、製品出荷の数量、販売単価、主要原料である鉄スクラップの単価、こうしたものがほぼ想定通りに推移した。

 さらに、生産数量が増加したことで固定費の負担も軽減され、期間の利益は計画を上回る結果となった。

 また、3Q累計の営業利益も、81.7億円の着地となった。

 

<26/3期3Q決算報告>

〇3Q総括(同4ページ)

 3ヵ月の期間の想定の利益は、営業利益予想が17.5億円だったが、結果としては21.7億円と上振れて着地をした。

 

〇製品出荷数量の推移(同5ページ)

 右の方の棒グラフは、製品の出荷の数量の推移と輸出の比率。まず、3Q、3ヵ月間の輸出の比率は、13.5%。なお、2Qが9.4%だったので、輸出比率は上がった。輸出9.9万トンのうち、板類が7.7万トン。それから、9ヵ月間では、13.1%、29.8万トン。うち板類が24.1万トン。

 続いて品種の構成、これは後半と条鋼の割合。3ヵ月の割合としては、条鋼が38%、鋼板が62%。条鋼の内訳が、形鋼36%、棒鋼2%、鋼板のうち薄板が45%、厚板が17%。特に、近々、厚板が数字を伸ばしている。

 7-9月でも17-18%の数字だったが、この高い数字がそのまま維持されている。

 

〇製品出荷価格・鉄スクラップ購入価格・メタルスプレッドの推移(同6-7ページ)

 計画として、10-12月の3ヵ月間、4.9万円のスプレッドを見ていたが、マイナス500円、結果としては4万8,500円、4万円台後半のスプレッドは維持できた。

 製品単価は、緩やかに右に下がっていっている状態。グラフは、縦値の推移。ホームページで確認できるが、近々は4.4万円前後になっている。

 

〇営業利益増減要因

●計画対比(同8ページ)

 計画については、69万500トンが予想だった。実績として70万5,000トンと、1万4,500トンの上振れとなった。売上単価は、ほぼ想定通り200円しか違わなかった。9万3,200円で、スクラップは700円上がって4万4,700円、スプレッドとしては予想よりも500円マイナスで4万8,500円。

 ただ、営業利益としては、予想の17.5億円に対しては上振れて着地した。3.5億円プラスの21億円(丸めている)。

 これは、まず数量が1万4,500トン増えたことで固定費の削減効果、それからコスト要因、これが6億6,600万円分(青い棒グラフ:ここは、ほとんど電力。電力価格が14.15円予想に対して、13.89円と2%程度下がったことが、このコスト要因の大きな要因)。

 結果としては21億円と、計画に比べ上振れて着地した。

●前年同意期比(同9ページ)

 前期は、225.3万トンだったが、今期は206.6万トン、数量が大きく18.7万トン減少。売上単価も、前期の10万8,700円と、10万円超えていたが、今期は9万4,800円と、マイナス1万4,000円程度。

 スクラップ単価4万9,300円が、今期は4万3,400円と、スクラップは6,000円下がった。

 ただ、スプレッドは、製品単価の下げ分を、スクラップの下がった分のメリットが吸収しきれなかったということで、スプレッドは8,000円減った。

 故に、営業利益235億円が82億円と、153億円のマイナスとなった。

 これもほとんど8,000円のスプレッドの要因でほぼ説明できる。165億2,800万円分のマイナスで、数量ショートによる要因が19億5,000万円。コストの要因で1億7,800万円のプラス、あと、前期に出ていた受払が無くなったので、プラスに転じて30億円と、閉めて82億円となった。

 また、このコストについても、電力料金が前期15.75円と、16円に近かったたが、これが14.40円と、電力料金が9%ほど減少していることが大きな要因。

●2Q比較(同10ページ)

 7-9月については、かなり、ボトムと言っていたかと思うが、数量が大幅に落ち込んでいた。61万5,000トン。これに比べ10-12月は9万トンプラス、70万5,000トンの出荷ができた。

 売上単価はやはり下げ傾向、マイナス1,900円。一方で、スクラプに関しては、7-9月の4万2,000円に対し10-12月が4万4,700円ということで2,700円プラス。スプレッドとしては、スクラップが上がって、かつ製品単価が下がってしまって、両方の要因を合わせて4,600円のマイナスいう形になった。

 ただ、この期に関しては、コストの要因と数量の拡大の要因があり、12.5億円という7-9月の実績から比べると21億円ということで、8億5,000万円、2Qよりは3Qの方が上振れた。

 スプレッドとしては4,600円分縮んでいるが、それよりも、数量9万トンプラスの要因とコストの要因、ここでもコストの大部分が電力に助けられている。電力は、7-9月からさらに5%ほど下がって、13.89円となった。その他、レンガがマイナス12.2%、酸素5%、燃料系で12%と、軒並み副資材等も減となった。そこのところはコストに助けられた3ヵ月間だったと思う。

 

<26/3期業績予想>

〇業績予想(同12ページ)

●外部環境委

 中国経済の低迷による不透明感、これが継続している。それから国内市場においても、人手不足や建設コストの上昇、これに伴う工期の遅延、計画見直しが相次いでいる。東京で言えば、例えば中野区の中野サンプラザとか、近々ですと名古屋の名鉄の大きな開発、こうしたものが見直しあるいは再検討というようなことが、相次いでいる。

 こうしたものをやはり鋼材市況として(影響を)受けていることから、同社としても想定以上の厳しい経営環境というのが今後も続く見通しであるという見込みを立てている。

 現実には、10月11日、去年公表した業績予想を見直した。具体的には、営業利益で95億円との予想を、82億円、13億円のマイナスという形で本日発表した。

 

図表1、26/3業績見通し(百万円、トン、千円/トン、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

〇営業利益増減要因

●対前期(同13ページ)

 出荷数量は、25/3期実績294万8,000トンが、今期280万3,000トンと、マイナス14万5,000トン、売上単価10万6,700円が、今期は9万4,400円と、マイナスの1万2,300円。

 前期のスクラップが4万7,800円だったが、今期4万4,000円、マイナスの3,800円いうことで、スプレッドは8,500円縮むという予想。

 25/3期に関しては、いい成績であったが、301億円の営業利益、それが今回は82億円いうことで、大幅に減少してしまうという予想を立てた。マイナス219億円、これは、ほとんど8,500円のスプレッド要因となる。

●対3Q(同14ページ)

 営業利益95億円から今回82億円に修正した。そのため、4Qの数字、営業利益というのはゼロ、つまりトントンでみている。

 3Qに関しては21億円の数字になったが、1-3月、現状走っている期に関しては、出荷数量73万7,000トン、数量としては3万2,000トンプラスとみている。ただ、売上単価は、9万3,200円が9万3,000円、ずっと下げ続けてきてきたが、12月上げたとところもあり、そうしたものを加味すると200円マイナス。スクラップに関しては、厳しめに見ている。今、大体4万4,000円と、現在の円安傾向で輸出が非常にしやすい状況になっている。これは、同社にとっては残念なことであるが、輸出の制約が決まっていて、輸出のデリバリーが今月末から2月の下旬ぐらいにかけて徐々に出ていくことになると、やっぱりちょっと止めなくてはいけない状況が続くのではないかと、スクラップはやや厳しく見ている。

 レスプットに関しては、4万8,500円が4万7,200円ということで、1,300円縮むとしている。

 単価とスクラップに関しては、厳しめな部分も含め、ほぼ現状の足元というような感じだが、ただ、コストの要因について、この1-3月はかなりコストが厳しいだろうとみている。

 12億3,700万円分のマイナス、ここについては、今度は電力料金、1-3月は3Qに比べる4%程度上がる予想になっている。また、酸素、レンガ、それからあと、非鉄が非常に高くなっており、亜鉛に至っては36.2%ほどのプラスいうことで、かなり急激に上がるという予想もあるので、コストがちょっと厳しくなる3ヵ月間になると想定をした。

 

<株主還元について>(同16ページ)

 今回は、配当については修正をかけていない。予定通りの配当ということで25円。50円ということで、総還元性向58%ということで、ここについては変わらない。株主に対する還元はしっかり手厚くやっていく方針には変わりはないので、見直しをかけていない。

 

<参考情報>

〇トヨタ自動車が生産する複数車種に当社鋼材が採用(同18ページ)

 昨年末、トヨタ自動車の複数車種に車鋼材、採用頂いた。今回、同社としては非常に大きな収穫と言いますか、大きな玄関口に立ったなという印象を持っている。同社が主原料としている鉄スクラップ、それもですね、建物由来のヘビースクラップ、そうしたものから今回トヨタに使ってもらう、量産車にということなので、量産車にまで電炉鋼材がしっかり行き渡る、しっかり使えるということが証明を貰ったという風に受け止めており、より気を引き締めて、しっかり生産をしていくということで、これを大きな入り口にしたいという気持ち。

 

〇電炉法の重要性を示す2つのレポートが公表(同19ページ)

 まず、12月2日、ブルームバーグのレポートが発表された。同社も協力したもの。これは具体的には、現状、脱炭素を測る上で、特に鉄鋼業の脱炭素化というのが非常に重要だったという中で、どういうアプローチが、1番コスパが良いのか、経済優位性が高いのか、という視点でブルンバーグに分析をしてもらった。

 例えば、我々のような、いわゆる既存の電炉を拡大していくという方法、あるいは高炉が電炉に転換するという方法、いろんな方法があるが、その中で、やはり我々の普通高電炉、同社のような電炉が、しっかり脱炭素に向けて鋼材を提供していくというところが、経済優位性の面でも非常に有利であるというのが結論になっているレポートになっている。

 

 それからもう1つ、電炉に関して、やはり品質と、あとスクラップが足りるのか問題とていうのが必ずクローズアップをされてきた。ただ、この鉄スクラップ、主に我々から考えれば日々スクラップであるが、こうしたものが国内の需要を満たせるのかという議論については、同社は日本で1番鉄スクラップを購入して使っているメーカーであるが、まだ我々の分析、考え方っていうのを世間にとうたことはなかったが、その反省も込め、今回社内に研究チームを立ち上げて、しっかり分析をした結果がこちら『2030年、鉄鋼資源循環の姿』。ホームページにあるので参照。結論から言うと、国内における需要、鉄鋼需要というものは、鉄スクラップの完全な循環によって、しっかり満たすことができるというのが、この結論になっている。

 

 もう1つ、こちらも新年メディアで取り上げられたが、ホットコイルのEPD(環境製品宣言)を取得した。非化石電力を活用したホットコイルの環境製品宣言と低CO2鋼材の環境情報、我々もカーボンフットプリント等で、いろんな形で提供しているが、今回はEPDという形でも、我々の脱炭素における優位性、低CO2というところを、しっかり証明をするという形で提供していく、国内外の幅広いニーズに応えていきたい。

 

図表2、四半期別業績推移(億円、千トン、千円/トン、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

図表3、メタルスプレッド、販売単価、鉄スクラップ価格推移(千円/トン)

出所:会社発表資料よりIRU作成

 

(IRuniverse 井上 康)

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