2月4日10時、中部鋼鈑は前日の意発表した26/3期3Q決算を受けて説明会を開催した。説明資料はこちら。説明は中尾経理部長が行った。

関連記事
⇒「中部鋼鈑:26/3期3Q決算発表、会社計画下回るも業績見通し据え置く」
<26/3期3Q実績>

〇説明の前に
説明前に中尾部長より、25年1月21日に行った溶鋼漏れ、水蒸気爆発の事故。及び復旧に2ヵ月ほどかかったことで、関係各所に迷惑がかかとしてお詫びがあった。
購入ユーザーからすると、国内で5社しかない厚板メーカーのうち1社が、突然製品供給をストップしてしまって、在庫の確保に四苦八苦したと思う。鉄スクラップを取り扱っている人にしたら、突然購入をストップして、どこに持っていくのかという問題を発生させてしまった。また、投資家の方からすると、新しい電気炉が立ち上がって、さあこれからというようなタイミングで、突然前4Qが赤になり、先行きはどうなるかと不安を不安にさせたと思う。
今回については、この1年をかけて復旧した点、一方でまだ道半ばの点も多々あるが、その点を踏まえて説明する。
〇要点(資料2ページ)
3Q累計(4-9月)について、前年同期と比べ減収減益を余儀なくされた。前期は、2-3Qに電気炉の工事をやっており、1Qについては休炉の最後のところで極めて好調に業績を推移したことから、今回9ヵ月経ったわけだが、そこのレベルまでまだ取りかってない。一方で、通期業績見通しは、中間の段階で修正したが、ここからの変更はない。
今回、資本政策に関して、約2年3ヵ月後、27年3月末、27年度末に向けて連結の自己資本を、足元740億程度だが、700億円まで、コントロールしていくと発表した。利益は精一杯出すということだが、それ以上に株主還元に努めて、対応していく。その一環として、今期については、配当予定していた101円から3円増大させて、1株当たり104円の配当を考えている。
〇3Q実績(同4ペーj)
3Q累計の実績を示している。前年同期と比べ、売上高は、数量それから単価ともに減ということで、単価の下落が大きくなっている。経常利益は、後ほど説明する。
〇対前期比(同5ページ)
売上高、経常利益等は、残念ながら計画に未達となった。資料下に販売数量を書いているが、12.1万トンということで、計画対比5,000トン程度未達となっているが、月にならせば4万トンレベルというところで、事故後の水準からは徐々に回復をしている。利益の明細については後ほど説明する。
〇四半期毎の状況(同6ページ)
真ん中に、販売数量の欄があるが、従前から説明している通り、事故後ユーザーの中には他社に発注して、そこから、なかなか受注が戻ってこないと、説明していた。ユーザーの在庫が随分減ってきた、お盆明けぐらいから、取り戻しが進んできて、こちらでは3Q、12.1万トンということで、1Q(10.2万トン)に比べても数量としては回復していた。
それから、1番下に粗鋼生産量を書いているが、この四半期(3Q:14.2万トン)については、11月に少し炉修、5日間ほど工場を止めて修理をした関係で11月は計画未達になったが、それ以外の月では、ほぼほぼ計画並みには作れていて、生産量についても1Q(13.0万トン)と比較しても増となった。
〇鉄鋼製品販売量の動向(同7ページ)
グラフは、緑が実績で、黄色の四角が計画。先ほど説明した通り、3Qで月当たり4万トンまで回復し、4Qには、もう1つ上の4.5万トンを目指している。
〇スクラップ建値の推移(同8ページ)
下期の計画は、H2が3.7円計画だったが、10月以降、急速な円安を受けてスクラップ価格も上げに転じた。ピーク時で3.9万円まで上昇した後、年末にかけて小幅に反落して、足元3.85万円の水準で推移している。
同社の見立て、対比で言うとスクラップ高が継続しており、計画に対して重荷になっている。
〇メタルスプレッドの動向(同9ページ)
21年度の1Qを100として指数化したもの。色の定義は先ほどと同じ。4Qに単価、トン当たり5,000円の値上げを織り込んで計画を策定した。
〇電力価格の動向(同10ページ)
24年度4Qは、電気炉の事故があり操業日数が極めて限られていたことから、異常値。25年度に入り、落ち着いて推移。3Qは、計画値をやや下回って推移した。
〇経常利益増減分析(同11ページ)
大きく差がついたところ、1つは販価の下落。前年同期比11.6%単価の下落がった。それから、25年の3月末段階で在庫コストが重くなったことから在庫単価影響を書いているが、今年度は、事故要因もあるが、こういったものの負担となっている。
●計画対比(同12ページ)
数量が5,000トンほど減になった影響、それから大きいのはメタルスプレッド。先ほど説明した通り、スクラップの価格が上昇する一方で、単価については、このタイミング、同業他社の値下げ等もあり下がってきていることから、ここは両方で効いてきている。
●2Q対比(同13ページ)
こちらは資料を参照。
〇セグメント別実績(同14ページ)
3Qまでの売上高、営業利益、これを前期と比較したもの。鉄鋼関連事業以外のところ。まず先頭のレンタル事業は、飲食店の需要でフィルターの需要が極めて堅調に推移。それから、下にもある各種のイベント等の印刷物だとか、こういったようなものについても取り扱っており、いろいろなイベントに使っていただいているころから、業績についてはしっかりということ。その次の物流事業は、危険物倉庫、従来はものすごい利幅があったが、競争がどんどん激化して、一部ユーザーが流出している。そろそろ先止まった感はあるが、前期と比べると減益ということ。エンジニアリング事業は、業績は好調ではあるが、前期に大型案件もあったが、それの剥落で、前期と比べると減益となった。
〇財務状況(同15ページ)
説明を割愛したため、資料を参照。
〇新電気炉導入後の生産状況(同16ページ)
生産状況について、事故後(右側)で説明をしているグラフ。直近、3Qは、先ほど説明した通り、11月に少し、炉修5日間ほど工事を止めたから計画未達になっているが、10月、それから11月、12月については、おおむね計画並みの鋼量を確保したと思っている。
一方で、上にある通り、いわゆるその新電気炉の電力原単位だが、こちらについてはプラントメーカーの保証値、旧炉対比で15%減、数字で言えばトン当たり300キロワット、ここまでは到達していない。
引き続き来年度についても改良工事に対応していく。ただ、量を作ることについては、おおむね一定のレベル感までは到達したのかなとみている。
〇電気炉更新前後における下級屑購入比率(同17ページ)
右側に同社のH2と呼ばれる標準係数の縦値と、それから実際の購入価格の差だが、新電気炉を導入して、下級屑を使うことによって格差についてはやや縮小基調になっている。
<26/3期業績見通し>
〇業績見通し(同19ページ)
今回、通期の業績見通しに変更は無い。下から2つ目の年間配当について、従来の101円から104円に今回増やした。
〇四半期毎の業績(同20ページ)
4Qは計画だが、先ほど説明した販売数量については3Qで月当たり4万トンレベルまで回復したので、4Qは、もう一段上の4.5万トンを確保したい。これにより利益、こちらについては、数量増と共にトン当たり5,000円の販価の値上げを計画で織り込んでいる。
〇経常利益増減分析(同21ページ)
こちらは見直して無いので、3ヵ月前と変更は無い。
●3Q対比(同22ページ)
先ほど説明した通り、1番左で販売数量をさらに月あたり5,000トン増やす。それから、販売価格単価を5,000円引き上げというのを織り込んでいる。それ以外に、増産によるコスト低減であるとか原単位のもう一段の良化、こういったようなものを計画に織り込んでいる。
〇4Qにおけるメタルスプレッドの拡大(同23ページ)
4Qの経常利益を確保できるのか質問になると思うが、数量の4.5万トン。こちらは、まだまだ努力はしないといけないが、現状はオンラインぐらいでは走っているのかなと思っている。先般11月契約で4.5万トンほどの受注が取れたということを3ヵ月前に説明したが、これらが、1月以降の出荷に出てくるので、まだこれから受注を取っていく部分が当然残っているが、現状はなんとかオンラインかなと、みている。
一方で、メタルスプレッド。こちらは正直言うと、まだ努力代が残っとる。単価については、12月契約でユーザーにトンあたり5,000円の値上げを要請した。一方で高炉、同業他社でこの値上げの動きが盛り上がっていない。このため、現在この5,000円というのが完全に刈り取れている訳ではない。なので、これからの営業努力が必要だということ。一方で、スクラップ価格、足元でその需給が少しひっ迫している感じはないものの、為替が影響しているのと思っている。年明け以降、ピーク時からやや円高に少し戻している感があるが、今後の日米の金融政策とか政局などを含めて、やはり不透明感があり、予測しづらいことで、楽観視はできない。前述した通り、下級屑使うことで、一段のコスト引き下げが必要と考えている。
〇大手建設機械メーカー・建材加工業者における鋼材使用指数
これは、同社取引先の大手建設機械メーカー、建材加工業者の建材資料量を指数化したもの。月ごとに凹凸あるが、おおむね緩やかな回復と見ている。
〇厚板シャーにおける鋼材切断・在庫指数
在庫が緩やかに回復する中で、切断については秋以降、緩やかではあるが、回復に向かっていると認識している。
〇配当政策(同26ページ)
今期については前述しているので省略。
<トピックス>(同27ページ)
トピックス以降は資料を参照。
<おもなQ&A>
Q、スラブの外販について
A、製鋼側の増産による固定費探源が狙い。厚板に比べると少し利幅が薄いが、数量が確保されることもあるので、それを目指していきたい。来期以降は多少効果が出てくる。
Q、価格について厳しいということだが、高炉メーカーも原料炭があがってきているので、値上げの可能性は?東鉄の値上げの方がこうかはあるか?
A、東鉄とバッティングするのは4-5割で、それ以外は高炉とバッティングする。東鉄は毎月建値を出しているので比較的見やすいが、高炉は難しい。見直し周期が3ヵ月のところが多い。それと大口では個別に決めていくので、見えにくい。ただ、高炉も2月から一部値上げがあると聞いているが、目に見える形で説明が難しい。
Q、営業戦略でシェアを奪い返せないのか?
A、3Qで4万トン、4Qで4.5万トンと取り戻すべく、事故後、迷惑をかけた中、何とかやってきた。新規顧客を何とか獲得したい。
Q,4Qで利益を出す計画だが、このベースで来期を見てよいのか?
A、4Qは届かない目標ではないと考えている。当然ながら5,000円は刈り取らなければならない。数量については外販スラグでやらないといけないのかなと思っている。
Q、4Qの挽回政策をもう少し教えてください
A、3Qの未達は、メイン顧客の一部が6月辺りから戻ってきたが、それを消化するのに秋口までかかったこと。9月に電気炉のクレーン工事で、古いクレーの取り外しに少し時間がかかりその影響が出た。4Qはそれらが無くなるうえ、4.5万トン近くの受注がきているので、オンラインで伸びるとみている。
(IRuniverse 井上 康)