2月4日、東海カーボンに三菱ケミカルのコークス及び炭素材の事業撤退の影響につて電話取材を行った。
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かつて、わが国の黒鉛電極メーカーは、欧米メーカーとの競争に勝つため、コストを下げる必要があった。東海カーボンは原料に割安な石炭系を、レゾナックは自前の自家発電(水力発電)を活用することでコストを引き下げ国際市場で戦ってきた経緯がある。特に、東海カーボンは、石炭系を使用するともろくなりやすい黒鉛電極の弱点を技術力で克服し、その使用料量は過半数まで増やすことに成し遂げた歴史がある。
同社は三菱系ということもあり、三菱ケミカルから原料となるニードルコークスを調達していた。現在同社は、日本製鉄系と三菱ケミカルから原料を調達している。今回の三菱ケミカルのコークス及び炭素材事業の撤退は、少なからず影響が懸念されるため、同社に取材を行った。
会社側の回答は以下の通り。
「現在、在庫があるため、当面は対応できるし、他社(日鉄系)から調達できるので問題にはならない」とのことだった。
当面の動きは、そうなのかもしれないが、日鉄系も、親会社である日本製鉄が高炉から電炉に切り替える計画があるため、コークスの使用量減少が目に見えている。一方で、電炉が増えることで黒鉛電極需要は増える傾向にある。高炉各社は電炉転換と言っても大型電炉に切り替えるため、口径の太い電極が必要になる。交流であれば最大級の口径32インチクラスを3本使用。直流なら、更なる大口径が必要になるかもしれない。
中長期的には、黒鉛電極需要は伸びるが、原料調達ができないといった問題はおこらないのか、気になるところ。幸い、12日の決算発表は通期決算であるため、その説明会で質問してみる。その回答については、説明会後に報告する。なお、石油系も化石燃料由来であるため、世界的にガソリンの生産量も減少に傾向にある。原料となるニードルコークスは、石油系はガソリン生成時の残渣から、石炭系はコークス製造時の残渣から作られる。中国系の品質が向上していると言われているが、現状針状結晶の違いがあり、口径の太いものには、その使用が難しいと言われている。
(IRuniverse 井上 康)