2月5日16時、JFEホールディングスは14時に発表した26/3期3Q決算を受けて説明会を開催した。説明資料はこちら。

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<25年度3Q実績>
〇ハイライト(資料3ページ)
中国の過剰生産、輸出の増加による鋼材市況の低迷、また、アメリカをはじめとする各国の保護主義的な政策に伴う影響等で同社を取り巻く環境、大変厳しい状況が続いているが、単独粗鋼生産量は、前回の公表通り150万トンを見込む。
一方で、足元の円安に加え、1月中旬のオーストラリアのサイクロンよる原料炭のスポット市況、大幅の高騰ということから鋼材コストは急上昇している。
そういう中で、今回の年間見通しについては、事業利益、セグメント利益、当期利益とも前回公表通りを見込む。ただし、原料単価格の影響で4Qのスプレッドの悪化となっているので、棚卸資産評価差を除く事業利益は1,700億と前回公表から200億減の見通し。
なお、年間配当については、80円と前回公表通り。
〇実績(同6ページ)
濃い青の部分の2列目。10-12月。事業利益が517億円、これは前年同期から128億円の増益。一方で、棚卸資産評価では497億円ということで、前年同期からは232億円の減益。当期利益は342億円と、234億円の減益。
続いて、4-12月の累計(1番右端の部分)。売上収益は2,952億円、事業利益は▲233億円、実力ベース▲643億円の減益。当期利益は▲393億円の減益。
図表1、26/3期3Q実績(百万円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成
〇セグメント別(同7-9ページ)
●鉄鋼
8ページの1番右側(4-12月)、前年同期で見ると、スチールセグメント利益で▲216円の減益ということで、セグメント利益全体の▲260億円の減益の大半を占めている。
9ページのセグメント利益の増減の内訳。まず、前提として、粗鋼生産は1.612万トンと44万トンの減。
それから鋼材平均価格は11万9,800円ということで、前年同期比約3万3,000円の低下。為替レートは、約4円の円高(152.3→148.5円/ドル)。
セグメント利益は、▲216億円の減益ということで、この内訳は下に記載。
まず、コストについては、7月以降、倉敷の3高炉でバンキングした事を含め操業改善+180億。数量構成は、粗鋼減44万トンの影響が構成改善を上回って▲80億円。スプレッドは、右に3つの要因を書いているが、主に国内外の鋼材市況悪化、これらを踏まえて▲620億円。一方、棚卸資産評価損は、特にキャリーオーバーの影響、24年度にマイナスの部分があったが、これが消えたことによる影響等で、+410億円。その他は、JSW等ですね、国内外のグループ会社の収益上がったが、その他の費用の増加がそれを上回り▲106億円となった。
●エンジニアリング
10-12月は、こちらに書いてある通り、工事構成差により前年同期から▲41億円の減収、それから▲25億円の減益比となったが、累計では前年同期比から+134億円の増収、それから+12億円の増益となった。
●商社
国内外での鋼材市況下落、販売数量の減少により、前年同期(累計)で、▲882億円の減収、▲34億円の減益となった。
<25年度業績見通し>
〇業績見通し(同11ページ)
これまで説明した4-12月の実績に加えて、1-3月の業績見通しを加えたもの。通期見通しは下記の通り。基本的に前回見通し通り。ハイライトで説明した通り。棚卸資産評価差除きの事業利益とセグメント利益は前回公表比、それぞれ▲200億の悪化となっている。
図表2、26/3期業績見通し(百万円、円/株)

出所:会社発表資料よりIRU作成
〇セグメント別
前回公表との差としては、スチールの売上収益が+200億円の微増、それから棚卸資産評価差等除きのセグメント利益が▲200億円となっている。
図表3、セグメント別業績見通し(億円)

出所:会社発表資料よりIRU作成
〇スチールの業績見通し(同13ページ)
●国内鋼材需要(同14ページ)
コロナ以降、人口減少、それから経済鈍化により鋼材需要は減少傾向が続いている非常に厳しい状況。
製造業については、米国関税政策と保護主義の動きというのは依然としてリスク要因として注視しなきゃいけないところ。それから、建設業については、建設コストの上昇、人手不足の影響が続いており、低迷が継続している。同ページの下に自動車生産台数見通しをつけている。分野別の動向にも書いてあるが、米国関税影響、依然としてリスク要因として残っていること、それから国内販売も大きな盛り上がりに欠けているということで、自動車生産台数は、24年とほぼ同等のレベルと想定している。それから、その下に、普通鋼鋼材消費見通し、四半期ごとの量を記載しておいる、21年から建設・製造業ともに減少が続いているが、特に足元では、この紫の部分、建設向け、こちらが24年の下期と比べて4.2%下がるというかなり大幅なダウンとなっている。
●海外鋼材需要(同15ページ)
中国発の市況低迷という構図に変化はない。アジア中心に厳しい需給環境が続いている。資料左の上のグラフ、中国の粗鋼生産と鋼材輸出量の推移が書いている。中国粗鋼生産は、昨年末にかけてやや下げ調ではあったが、年明け以降また急激に上昇しているといった模様も出てきている。
それから、鋼材輸出は、1-12月は1,000万トンを超えるレベルということで、非常に厳しい状況だと思っている。
分野別動向については、前回の見通しの時から大きな変化はないが、特に薄板については、保護主義の動きもあり大変厳しい状況が続いていると認識している。
●海外鋼材市況(同16ページ)
こちらは主要市場の市況。中国については依然として停滞が続いている。インドについては、12月に改めて3年間のセーフガードの再発令もあり回復基調。米国については、当初、貿易政策をめぐる不透明感から低下していたが、足元、需要回復の動きから、10月以降、市況は戻ってきている状況。
●原料市況動向(17ページ)
鉄鉱石については、1-3月決着しており、前四半期から6ドルアップの94ドル。原料炭については、1月中旬のサイクロンの影響もあり足元の需給タイト化しており、足元250ドル程度ということで、2月末までこういった水準が続くと230ドル。1-3月については、230ドル程度になると想定して、前四半期からは40ドル近いアップと、この前提で今回業績見通しも織り込んでいる。
●粗鋼生産(同18ページ)
前回公表通り2,150万トン、下期は170万トン、3Qと4Q、ほぼ同じレベル。
●高付加価値品比率拡大(同19ページ)
同社は、量から質への転換を進めており、高付加価値比率を段階的に引き上げるということで、8次中計では、60%まで引き上げるということで、25年のKPIとしては54%を設定している。
資料には分野別動向にも記載している。足元の市場環境は盛り上げかける分野はあるが、足元で言うと電磁鋼板、それから洋上風力向けの厚板、などを中心に拡販を進めている。
●諸元(同20ページ)
業績見通しに対する諸元。
●前回と今回のセグメント利益増減差(同21ページ)
22ページは年度比較、23ページは上下比較を書いてある。
〇エンジニアリングの業績見通し
●事業環境(同25ページ)
前回公表通り、200億円。なお、資料下の表の1番上の受注が7,500億円と、これまでの過去最高だった去年の受注を1,700億円上回り、かつ前回からも500億円の拡大が進んでいる。Waste to Resource分野、それから洋上風力LNGの受注拡大が進んでいる。
既に12月に発表しているが、秋田県沖の洋上風力発電事業、このモノパイル製造輸送案件を受注している。25年度中に製造が開始される見通し。
〇商社の見通し(同27ページ)
国内の建設需要の低迷、それから輸出の取引減、市況下落、こういった厳しい状況にあり、年間セグメント利益は、前年度から▲29億円の減益である450億円、前回公表通り。
<配当>
〇配当について(同29ページ)
最初に説明した通り、期末配当40円、年間配当は80円の見通し。
<トピックス>(同31-35ページ)
3つ用意してあるが、12月に発表したが、これまでも説明しているJSWスチールと、一貫製鉄所の合弁会社設立 (50:50)に関して合意(同31ページ)。資料の下段にBPSLの特徴をまとめているので資料を参照。
もう1つが、今回、BPSLの初回出資実施した後の有利子負債残高ということで1兆9,800億円の見通し、今件のような成長投資の先行というのが、8次中計で計画しており、一時的に、EBITDA倍率等は上昇するが、27年に向け、中期財務目標、この達成に向けた取り組みは継続していく。
最後が、洋上風力発電事業向け、国産モノパイル製造を初受注した。詳細は資料の33ページ以降を参照。
<参考>
図表4、四半期別業績推移(百万円、%)

出所:会社発表資料よりIRU作成
(IRuniverse 井上 康)