2月6日11時、中山製鋼所は前日に発表した26/3期3Q決算を受けて説明会を開催した。説明資料は後日同社のHPにアップされる。

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<戦略トッピクス>
〇新電気炉建設プロジェクト(資料2ページ)
合弁会社設立に関する日本製鉄との合弁契約を昨年11月26日に締結をし、新電気炉建設プロジェクトが本格的に始動。
資料の右側、合弁会社の概要は、記載の通り。名称は、NN製鋼合同会社、同社の工場の敷地内に電気炉の建物設備を保有し、同社に賃貸をする会社。設立は今年の3月を予定。出資額は500億円程度。総投資額が950億を予定しているが、昨今の建設費高騰の傾向を考慮して、総投資額が最大1,055億まで膨らんでも、このプロジェクトを進めるべく準備をしている。最大1,055億の試算に対して、この投資額になった場合は出資額を557億まで増額をする予定で、これについては日本製鉄との合意ができている。
続いて資本構成と製品フローについては資料の左側。同社が51%、日本製鉄が49%出資。操業は同社が担い、製品の一部を日本製鉄に供給するスキーム。基本的には熱演したコイルを供給するが、一部については溶けた鋼を固めた状態の中間素材であるスラブの状態で供給をする予定。
同社にとっては、資金面でのメリットがあることに加えて、安定した販売先が確保できるというメリットがある。本件については日鉄との水平連携だが、同社がモジョリティで日本製鉄がマイナー出資に応じてくれるということは、電気炉普通鋼に対する同社の高いポテンシャルへの評価の表れと自負している。
〇協業関係の強化(同3ページ)
ヨドコウとの業務提携。業務提携に向けた基本合意書を昨年12月12日に締結した。CO2排出量が少ない電気炉構材の需要増加を見据えて、材版鉄鋼メーカーである同社と表面処理メーカーのヨドコウが連携をして製品をユーザーに提供し、環境問題への対応と競争力の許可を図るというもの。ヨドコウは、既存の取引先なので、今の取引をさらに進化をさせ、さらなる拡大を図る。
ヨドコウとは垂直連携ということになり、日本製鉄との水平連携と合わせた縦糸と横糸を強化することにより、製販一体の強固な体制を構築することができると考えている。
<25年3Q決算>
〇3Q総括(同4ページ)
3Q累計の売上高は1,097億円と、前年同期比▲200億円の減収、営業利益は32億円と同▲35億円の減益、経常利益は30億円で、同▲36億円の減益、ROSは2.7%と同2.4ポイントのマイナス、当期利益は17億円で、同▲29億円の減益となった。販売数量の減少と販売価格の下落に加えまして、変電所の事故により減収減益となった。変電所事故影響については、当初▲15億円程度と予想していたが、修繕費用の増加により影響額は▲16億円と見積もっている。
詳細については10ページに記載をしているので、後ほど説明するが、この▲16億円については一過性の損失。
電気の休止中は、外部からの購入を増やすことで対応してきたので、ユーザーへの影響については最小限にとどめることができた。皆さんには大変心配をかけたが、電気炉については昨年末に操業を再開しており、4Qでのリカバリーに向けて順調に稼働中。
右側の通期見通しについて、売上高は、販売数量の減少により1,480億円の見通し。これは前回公表が、1,510億円だったので、公表値からは▲30億円の減収。営業利益以下について変更はない。営業利益42億円、経常利益は40億円、当期利益は23億円の見通し。
年間配当は13円と、これも前回公表からは変更はない。
<25年度3Q実績>
〇3Q実績(同5ぺージ)
総括のところで、25年3Q累計は30億の経常利益と説明したが、内訳は下表の通り。3Qは、数千万円の利益しかなく、ほぼ0という形に落ち込んだ。
需要低迷が、ずっと継続している中で、電気炉に電力を供給する変電所事故、これ2Qの時にも説明したが、そちらが発生して、特注部品の交換に2ヵ月ほど要して、結果として、事故発生の9月26日から12月23日まで、ほぼ3ヵ月程度電気炉は停止した。その間、先ほど説明のとおりだが、急遽、外部から代替鉄源を購入し、取引先への供給責任を果たした。ただ、各工場の減産による固定費のアップ、代替鉄源の購入、また変電所設備の修繕等あり、トータル16億円ほど費用がかさんで、3Qは利益がほぼ残らなかった。
資料6ページに昨年度からの経緯として、販売数量。販売価格・スクラップ使用単価、その差額であるスプレッドの推移をグラフで表している。
まず左側の表、24年度1Qは、物価上昇の先高感というところもあり、一定量の数量が確保できたが、24年度2Q以降、重要低迷で安価材の流入、先安観による買い控え、海外マーケットの悪化と重なり、フラット製品(真ん中の紫色の濃い部分)を中心に、減販が続いており、25年度に入っても需要は回復せず販売数量は低迷。そのような環境下の中、先ほど説明した通り、25年9月末に発生した第5変電所事故に伴い、25年度3Qは代替スラブを急遽仕入れるまでの出荷調整等あり、フラット製品が大幅に減少している。ただ、こちらにつきましては、4Qにフラット製品は減販分の取り戻しというところでリカバーする予定。
右側の価格について、1番上のグラフ、24年1Qは、コスト上昇分を転嫁するような形で値上げが実施できたが、その後、鋼材需要の回復の遅れ、あるいは安価剤の流入による先安感もあり、価格対応を図らざるを得ないという形で販価が下落。25年度に入っても同様の形で続いており、品種によりこと異なるが、24年2Qから3Qにかけて半化、25年には入っても販価がなかなか上がらない状況が継続。
販売価格は、25年度1Qあるいは3Qで前四半期と比べて若干単価が上がったように見えるが、先ほど左側の販売数量のところでも説明した通りだが、フラット材の減販部分が多くて、このタイミングで品種構成の価格差が起こっている。
一方、原料のスクラップが、下の濃い目の折れ線グラフ。スクラップは、需要減退、あと円高も重なり、24年度2Q以降、大幅に値下げ局面となっている。24年度3Q以降、25年度に入ってからも大きな変動はなくて、使用ベースでおおむね大体4.2万円から4.4万円のレンジで動いている。
結果として、棒グラフ、前期の3Qまでと今期の3Qまでのスプレッドは縮小傾向。ただ、一方、同社の場合は購入鉄源というところで外部材も仕入れているので、こちらのスプレッドに関しては単価の下げ以上に仕入価格は下落しているので、スプレッドは改善している。
〇経常利益増減分析(同7ページ)
66億円の前期にたして、今期30億円ということで、▲36億円の減少。中身については、良化部分としては、スプレッドの+3億円、そこに在庫影響の+11億円で、トータル+14億円程度あった。
一方、悪化要因で、販売数量の減少、減販影響で▲23億円、労務費等の固定費アップ部分で▲5億円、その他▲22億円に含まれているが、電気炉休止に伴う各工場の減産影響、▲9億円、変電所設備の修繕費▲3億円程度、グループ会社の損益悪化等含めて、悪化要因は50億程度。差し引き▲36億円の減益となった。
欄外に、変電所事故影響▲16億円とあるが、先ほど説明したその他欄に含まれる電気炉の休止に伴う各工場の減産影響を▲9億円、変電所設備の修繕費▲3億円に加え、自社材と外部材の構成差▲4億円と合わせて▲16-15億円程度、変電所事故の影響があったとみている。
〇貸借対照表(同8ページ)
資料を参照。
<25年度業績見通し>
〇環境認識(同9ページ)
こちら経産省から出ている需要見通しのところで内訳を見ていくと、各需要先とも盛り上がりに欠ける状況が継続することが予想されている。
そのような中、同社の販売見通しは、先に触れたが25年度3Q、事故影響で減産、減販になっている部分のリカバリーと、あと価格については、一部品種で底値感が出ているところ、値上げの動きも出ているので同社も適正価格の維持に努めながら対応していく。
前述した変電所の事故影響▲16億円を持ち越さない見通し(同10ページ)。
〇業績見通し(同11ページ)
売上高は▲30億の減収、各段階利益は11月の6日の公表を変えてない。25年度4Q、先ほど数量、価格のところで説明したが、出荷量は3Qの減少部分を取り戻しプラスの影響、さらには、足元でドル高円安というところで主原料価格が上がっているので、その分スプレッドが悪化すると織り込んだ見通し。
配当は、利益を変えていないので、期末配当5円、年間配当を13円と、こちらは変えずに公表。
経常利益3Q累計で30億と説明したが、通期の見通し40億とみているので、差し引きすると、4Qの経常利益の水準でいうと10億円を見込んでいる。この10億円の利益内容、増減の内容は、3Qに発生した電気炉事故の影響の解消というところで+16億円、リカバリーの増販部分で+4億円、合計+20億円程度。一方、悪化要因、ドル高円安の話をしたが、スクラップあるいは購入鋼片含めて原料価格が上がっているので、スプレッド悪化▲8億円の減益要因を見ている。それに加えて、その他のコストアップ部分とか、他事業の悪化部分を▲2億円程度見込まれるので、合計▲10億円程度あるとみている。
差し引きして、3Qに対しては+10億円程度利益が出てくる見立て。
<長期計画の進捗>
〇新電気炉建設の進捗状況(同12ページ)
新電気炉建設のスケジュールは資料の通り。昨年12月に電気炉、連鋳設備、建屋基本設計契約締結している。本年4月以降に環境アセスメントニンする準備書の公告・縦覧、住民説明会を実施予定。いよいよ11月に同環境アセスメントを完了させ、新電気炉建設工事の着工予定で、現在のところ順調に進捗している。
〇電気炉材の多様な分野での適用拡大に向けた取組み(同13ページ)
長期計画の進捗の2つ目として、長期計画における重点方針の1つである収益構造の改善、製品ポートフォリオの改革ということにつなげるべく、現在、電気炉材の多様な分野での適用拡大というところに向けた取り組みを進めている。その内容をまとめたのが資料の通り。
<サステナビリティ>
直近のトピックスについて、まとめているので資料を参照。
(IRuniverse 井上 康)