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2025年 トルコ鉄鋼貿易レポート ~輸出はEU向けが回復、輸入は中・ロの攻勢で過去最高を更新~

2026/02/08 18:42
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2025年 トルコ鉄鋼貿易レポート  ~輸出はEU向けが回復、輸入は中・ロの攻勢で過去最高を更新~

1. エグゼクティブサマリー

2025年のトルコ鉄鋼貿易は、輸出・輸入ともに増加しました。特に輸入はアジアおよびロシアからの安価な製品流入により1,890万トン(前年比+8.6%)に達し、過去最高を記録しました。一方で輸出も1,510万トン(前年比+12.5%)と2桁成長を遂げ、前年の落ち込みから回復基調にあります。

  • 輸出: 1,510万トン(+12.5%)/ 金額:102億ドル(+4.3%)

  • 輸入: 1,890万トン(+8.6%)/ 金額:131億ドル(-0.7%)

  • 特徴: 数量ベースでは大幅増ですが、輸入金額が微減していることから、国際市況の下落と低価格品の流入(ダンピング攻勢)が鮮明です。


2. 輸入詳細:過去最高記録の背景

輸入増加の最大の要因は、ロシア中国からの急激な流入です。トルコの圧延メーカーが、エネルギーコスト高騰への対抗策として、安価な半製品(スラブ・ビレット)や熱延コイルの調達をこれら2カ国に依存した構図が浮き彫りになりました。

① 主要輸入相手国(Origins)

2025年の輸入増を牽引したのは、間違いなく以下の2カ国です。

順位

国名

輸入量 (概算)

前年比

備考

1

ロシア

約450万トン

+37.9%

制裁の影響で欧州へ行けない半製品がトルコへ集中。

2

中国

約420万トン

+13.3%

過剰生産能力を背景に、極めて低いオファー価格で輸出攻勢。

3

その他

アジア・欧州

韓国、日本、EU等が続くが、上記2カ国の伸びが突出。

② 品種別・原材料のトレンド

  • 半製品(Semi-finished)の急増: ロシアからのスラブ・ビレット輸入が増加。これにより、トルコ国内の電気炉メーカー(スクラップを溶解して生産)よりも、輸入半製品を圧延するリロールメーカーの稼働が活発化しました。

  • スクラップ輸入の減少: 半製品の輸入が増えた反動で、鉄スクラップの輸入量は前年比6.6%減少(約1,877万トン)となりました。特に米国からのスクラップ輸入が減少し、代わりにCIS(独立国家共同体)地域からの調達比率が上がっています。


3. 輸出詳細:EU市場への回帰

輸出が2桁増となった主因は、主要マーケットである欧州(EU)向けの需要回復です。また、トルコリラの安値も輸出競争力を一部下支えしました。

① 主要輸出先(Destinations)

伝統的な市場であるEU近隣諸国への輸出が大きく伸びました。

地域

主要国

動向・要因

EU (最大市場)

イタリア


 

ルーマニア


 

スペイン

建設・インフラ向けの条鋼類および板材の輸出が増加。特にイタリアとルーマニアは前年比で大幅な伸びを記録しました。

MENA (中東・北アフリカ)

イエメン


 

北アフリカ

戦後復興需要(イエメン)やインフラ需要が継続。ただし、イスラエル向けは地政学的要因で大幅に減少しました。

その他

南米・ウクライナ

ウクライナ向けの復興資材需要も一部で見られます。

② 品種別トレンド

  • 条鋼類(Long Products): 建設用棒鋼を中心に堅調。

  • 板材(Flat Products): 欧州自動車・家電向けなどで需要があり、数量ベースで約12%増と高い伸びを示しました。


4. 2026年の見通しと課題

TCUD(トルコ鉄鋼メーカー協会)は、2026年の粗鋼生産量が4,000万トンを超えると予測していますが、以下の課題を指摘しています。

  1. 貿易赤字の拡大: 輸出より輸入(特にダンピング材)の方が多いため、数量ベースの「輸出入カバー率」は77.6%に留まっています。

  2. 不公正貿易への懸念: 中国・ロシアからの輸入急増に対し、トルコ国内ではアンチダンピング措置やセーフガードの発動を求める声が強まっています。

  3. スクラップ vs 半製品: エネルギーコストが高いままであれば、スクラップを溶かすよりも、安価なロシア製半製品を輸入するトレンドが2026年も続くと予想されます。

 

(IRUNIVERSE)

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